ジャガーXF 35t Portfolio & XF 25t Prestige
公開 : 2016.04.04 23:55 更新 : 2017.05.29 18:37
240psと340Nmを発生するこのエンジン、実はもっと大きいXJにも積まれているが、それに試乗した際にパワー不足を感じることがなかったほどの実力の持ち主なのだ。したがって、25t Prestigeに乗り換えても、車重が1720㎏とV6の35tより110㎏軽いことも幸いして、動力性能に関して決定的な不満を感じることは皆無だった。
しかも、そんな風にV6に比べてネガが顕著でないだけでなく、意外な美点もある。実はこの直4ターボ、その回転音はV6スーパーチャージドよりむしろ小声で、加速中もクルージング中も、室内は明らかにV6モデルより静かに感じられたほどなのだ。
クルージングといえば、高速道路ではレーンキープ・アシスト=車線逸脱防止機能のいたずらによると思われる、不自然なステアリング反力に違和感を覚えた。レーン左右の白線にクルマが近づくと、それを感知してステアリングが勝手に動くのだ。慣れてしまえばそういうものだと納得することもできるが、最初は特に違和感がある。この現象に関してはV6モデルも直4モデルもほぼ同様で、塔載エンジンによる違いは感じられなかった。
それにもうひとつ、25t PrestigeはタイヤがV6モデルの19インチに対して18インチにサイズ・ダウンされる。その影響は乗り心地に現れて、路面の不整を越える際のショックが19インチより軽く抑えられ、乗り心地を35tより一段とマイルドなものにしている。
試乗初日の最終ステージは伊勢志摩スカイラインのワインディング・ロードを走ったが、そこでもニューXFは素性の好さを示すと同時に、塔載パワーユニットの違いによるコーナリング・フィールの相違も明確に提示してみせた。
まずはV6の35tで走り出す。50:50を実現したという前後重量配分、ダブル・ウィッシュボーンとインテグラル・リンクを組み合わせたサスペンション、それに標準装備のトルク・ベクタリング・バイ・ブレーキングなどの相乗効果で、V6過給エンジンによるフロント・ヘビーを意識させない、ニュートラルな感覚のハンドリングを実現している。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA