ポルシェ718ボクスターS
公開 : 2016.04.05 23:50 更新 : 2017.05.29 19:04
■どんな感じ?
エンジンの話からはじめよう。36psの増強を受けたこれは、同時に13%の燃料消費率の向上を実現している(とポルシェは主張している)。
2000rpm以下だとターボ・ラグが看取される。1900rpmにピーク・トルクがおとずれるから、これはちょっと気になる。ただし3000rpm以上のレスポンスはキレがよく、これがレッド・ゾーンの1000rpm手前である6500rpmまでつづく。
最大限のレスポンスを得るには、できるかぎり低いギアをキープした方が賢明。ギアリングは比較的長めであり、2速で100km/h前後巡航するのもキツくない。ミドル・レンジのぶ厚いトルクの恩恵でもある。
音の聴き心地がいいのは、パーシャル・スロットルからもう少しだけ踏みこんだあたり。できるかぎり低回転に保っているときだ。カリフォルニアの山道で、木々にこだまするターボの音は格別である。
高回転域では、さらになめらかなトーンに転じる。ただ、ポルシェはここでもドライバーを鼓舞することを忘れておらず、これまでの水平対向6気筒の高回転域のなめらかさとはまたひと味違った、小気味よいうえの力づよさも感じ取れる。