ジャガーXE 20d Pure
公開 : 2016.04.12 23:50 更新 : 2017.05.29 18:37
そうか、ベーシック・モデルも断じて悪くないなと思って走り出すと、しなやかにしてソフトで角の丸い乗り心地が、癒しに満ちているのを実感した。標準タイヤが205/55ZR17という控えめなサイズなため、当たりが柔らかく、サスペンションもセフトにセットされているからだ。XE、快適さではXFにまるで遜色なし、という印象である。
それに加えて、XFディーゼルよりコンパクトなボディと100kg軽い車重は、様々な意味でXEに身軽さを与えている。まずパフォーマンスだが、ディーゼル・ターボのもたらす加速感は明らかにXFより力強く、踏み込むと同時にグーンと後ろから押し出される感触を味わえる。
遮音性能もXFに劣るという印象はなく、ディーゼル・エンジンの振動も音も特に気にならない。それどころか高速クルージングでは、不思議なことにその直前に乗ったXFディーゼルより静かに感じられたほどだった。ちなみにメーターの100km/hでは、エンジンはトップ8速で1700rpmという低回転で回っているにすぎないから、静かなわけである。
それに加えて、僕が最も感激したのは、ワインディング・ロードにおける軽快な身のこなしだった。205/55ZR17タイヤのグリップ感の頼りなさはあるものの、XFよりコンパクトなボディと100kg軽い車重は、XE 20d Pureに極めてバランスのいいハンドリングをもたらしていてとてもよく曲がり、ドライビングが実に愉しかったのである。
というわけでXEディーゼル、コンパクトなボディ・サイズがもたらす軽快さを利して、ファン・トゥ・ドライブという意味では上級のXFを凌ぐものを感じさせてくれたのだった。