今買えるクルマ、トップ50 ― 5〜1位

公開 : 2016.04.12 22:50  更新 : 2017.06.01 01:34

4位 – マツダMX-5

英国のグループ、ザ・ダークネスのリード・シンガーであるジャスティン・ホーキンス(ファルセットが得意だった)は、自身のバンドについて「あとになって考えれば、ロックだった」と語っている。

1989年に産声をあげたMX-5(日本名:ロードスター)も、いまこうやって振りかえると、いかに英国的なライトウエイト・スポーツカーだったかがわかる。

2代目、3代目とつづいたあとの現行モデルは、なおのことその度合が強まったように思える。初代以降、もっとも ‘ロードスターらしい’ といえるかもしれない。

小さなボディに、小さな自然吸気エンジンを組みあわせ、2人分のシートを用意する。そしてその後輪を回してやればいい。簡単なレシピだと思えるかもしれない。

しかし1.5ℓから満足のいくパフォーマンスを引きだすのはとてもむずかしい。それに小さなボディを衝突基準に適合させることだって、そう簡単にはいかない。

エアバッグやロールバーを装着するために、ボルトやブラケット、その他ガジェットやウィジェットにどれほど配慮が必要か……。血の滲むような努力なのである。

軽量化だけならばまだ簡単。そのあとにバランスを整えねばならないし賢いルーフ・メカニズムも必要。ギアボックスの操作感だって最良のものでなければならない。

MX-5に乗ると300psや500psなどといった数値がちっとも羨ましくなくなる。ミリオネアである必要もない。

シンプルかつドライバーに従順、そして極めて精巧に作られたマシンに敬意を表すだけでいいのである。


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