フィアット・パンダ・トレッキング・ツインエアー
公開 : 2012.10.24 19:50 更新 : 2017.05.29 18:52
■どんなクルマ?
パンダ4×4と共にニッチなマーケット向けのパンダがこのパンダ・トレッキングだ。フィアットでは、このモデルをシティ・ユーリティリ・ビークルと呼んでいる。ウィークデイはシティカーとして、そしてウィークエンドにはオフローダー的な使いかたをするということだろうか。
マーケティング部は何というか知れないが、実際にはパンダ・トレッキングは、パンダ4×4の前輪駆動バージョンである。4×4の高い車高、大きくなったサスペンション・トラベル、マッド・アンド・スノー・タイヤ、ファンキーなボディ・キットをそのまま引き継ぎ、一方で6速マニュアルにかわり5速マニュアル・ギアボックスが取り付けられる。
その外観にマッチするために、若干のオフロード性能を高める装備として、トラクション+という電子制御のスタビリティ・コントールも付けられている。これは、前輪のどちらかがスリップしたとき、ブレーキを制御することによってディファレンシャルの代わりをしようというもので、29km/h以上で使用が可能なシステムだ。
トレッキングは、英国では2台のエンジンがラインナップに用意される。84bhpの0.9リッター・ツインエアー・ガソリンと、74bhpの1.3マルチジェット・ディーゼルだ。
■どんな感じ?
極端な路面コンディションでもない限りは、それはパンダ4×4と同じだ。豊かなサスペンション・トラベルと、マナーの良いツインエアー・エンジンによってロード・マナーは素晴らしいのひとことだ。
オフロードでも、少なくともわれわれがテストした轍だらけの砂利道では充分な性能を見せてくれた。また、その高いドライビング・ポジションもなかなか気持ちが良い。
トレッキングと4×4バージョンは、エクステリア・カラーも特徴的だが、今回われわれがテストしたそのケバケバしいオレンジのボディ・カラーは、さすがに万人に受け入れられるものではないと思わっれる。
おそらくトレッキングと4×4の違いは、そのボディ・ウエイトにある。4×4よりも75kg軽い975kgの重さは、CO2排出量を下げ、加速を上げることに役だっているのだ。
■「買い」か?
パンダ・トレッキングは英国の1年のうち363日は普通に走ることができるはずだ。あとの2日、つまり雪深い日でも外出したければ4×4を選ぶことが必要となるだろう。
その2日を家で過ごすことにしたのであれば、パンダ・トレッキングは、その優れた経済性やパフォーマンスなどで、4×4よりも賢い選択となる。しかも、トレッキングは4×4よりも1,000ポンド(13万円)も安いのである。
もちろん、その1,000ポンド(13万円)と4×4との比較をどう考えるかはあなた次第だ。
(マーク・ティショー)
フィアット・パンダ・トレッキング・ツインエアー
価格 | 13,000ポンド(165万円) |
最高速度 | 169km/h |
0-100km/h加速 | 11.5秒 |
燃費 | 21.7km/l |
CO2排出量 | 105g/km |
乾燥重量 | 975kg |
エンジン | 直列2気筒875ccターボ |
最高出力 | 84bhp/5500rpm |
最大トルク | 14.8kg-m/1900rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |