BMW M2
公開 : 2016.04.14 23:50 更新 : 2017.05.23 10:24
しかし、4.47mの全長と、1.85mの全幅であるにもかかわらず ―これはM3/M4とも甚だしく大きな差がないことを意味する― 驚くほど身のこなしが軽いのだ。
ステアリングを切れば、瞬間的にノーズが向きを変える。なめらかなのに素早く、だからといって不安定ではない。バランスが損なわれる感覚も皆無である。
コーナーの出口で穏やかにアクセルを踏んでみれば、51.0kg-mのトルクがいかに強力かを知る。ファットなリア・タイヤをしても、あり余るほどだ。
ほかのMカーと同じアクティブ・リア・リミテッド・スリップ・デフを組みあわせるおかげで、言い換えればスライドも簡単だ。兄貴分との出力差もそう感じない。
ごく低回転では、それなりのターボ・ラグも感じるが、それも限られたシチュエーションだろう。圧倒的なパワーの方に心は奪われてしまう。
シャシーのもたらす挙動の修正のしやすさ、激昂したサウンド、くるりと向きの変わるバランスに驚く。
アウディRS3やメルセデス-AMG A45などのライバルよりも隙がない。それに走りに徹することができる。
ポルシェ・ケイマンよりも体がフィットしている気持ちになることを考えると、M2は、ホット4シーターというよりもスポーツカーと表現するほうがいいだろう。