内製のアクティブ・サウンド・デザインと呼ばれる、スピーカーを介した音の演出はM4 GTSに適合されず、だからといってターボの ‘シューシュー音’ が不躾に車内に入りこんでくることはない。ほっとする。

ステアリングは重い。おそらくだが、調整可能なサスペンションをもう少しソフトなものにすると軽くなるのかもしれない。今回は締めあげられていた。

トラクション・コントローラーやデュアル・クラッチAT、エンジン・マネージメントの設定をもっとも激しいものとし、一気にアクセル・ペダルを踏みこむと、車体は一瞬ビクンとし、その直後に急加速しはじめる。

自然吸気エンジンと比べるとドラマに欠けるものの、日産GT-R NISMOやポルシェ911ターボSなどの同価格帯のライバルに比べると熱意あるサウンドだ。

ミドル・レンジのパワー感はとてつもないものだが、パワーで圧倒するかたわら、細やかなアクセル操作にも繊細な反応を示す。高回転域も然り。形は実用車の域を脱しないが、スーパー・スポーツの領域にある。