中国自動車メーカー、”模倣” の歴史

公開 : 2016.04.15 22:50  更新 : 2018.04.26 14:59

  • リーファン320(トップ写真)、ランドウィンドX7(真上)。

  • シュアンファンSCEO。

  • CHオート・リチア。

  • ジーリー・ビューティ・レパード。

  • ヨウシャ・レンジャーX。

  • シュアンファン・ノーブル。

  • ドジョー・パイオニア。

  • ヨゴモS325。

  • ヨゴモ330。

  • ジーリー・メリー300。

  • BYDロゴ。

中国自動車メーカーが生産するコピーモデル(コピーキャット)は、中国のローカル・マーケットでは恐ろしいことにひとつのポジションを築いてしまっている。やっと世界でも重要なモーターショーとして認識されはじめた北京モーターショーでは、各メーカーがこの場を新車発表の場として選ぶようになってきたが、それと同時にコピーキャットが沢山展示される “いわくつき” のモーターショーともなっている。ここでは、われわれが見つけ出した中国製コピーキャットを紹介しよう。

リーファン320 ーー ミニ

リーファン320は、力帆集団(リーファン)が生産する1.3ℓのスーパーミニだ。デビューは2008年の北京モーターショーだが、ミニ・ハッチバックに似たスタイリングが悪評を呼んだ。2013年にはフェイスリフトを受け、多少ミニのデザインからは遠ざかったが、現行モデルは何と今度はフィアット500に近いデザインとなっている。

力帆集団ホームページ http://www.lifan.com/

ランドウィンドX7 ーー レンジローバー・イヴォーク

長安汽車と江鈴汽車による合弁企業が製作するランドウィンドX7は、明らかにレンジローバー・イヴォークのコピーキャットだ。2014年の広州モーターショーで発表されたモデルで、この時の広州モーターショーでは、本家ランドローバーがジョイントした奇瑞汽車の現地生産版の本物のイヴォークと、このランドウィンドX7が同時に展示されるという事態が起こった。

ジャガー・ランドローバーのCEO、ラルフ・スペッツは、このランドウィンドX7について「未だに中国でこういったコピー商品が登場してくることにがっかりしている。国際的ルールからしても明らかに違法だし、われわれの収益にも影響を及ぼすだろう。」とコメントした。

ベースは2.0ℓターボを搭載するいすゞロデオで、価格は£14,000(260万円)と、本家のイヴォークの£40,000(740万円)よりも遥かに安い価格が設定された。

陸風汽車ホームページ http://www.landwind.com/

シュアンファンSCEO ーー BMW X5

双環汽車(シュアンファン)が生産するSCEOは、正面は第一世代のレクサスRXに似ているようにも取れるデザインだが、プロフィールとリア・ビューはBMW X5の影響が見て取れる。BMWはこのシュアンファンの仕業を見逃すことなく、法廷に訴えた。その結果、シュアンファンSCEOは、ドイツ国内からは閉めだされる結果となった。

双環汽車ホームページ http://www.hbshauto.com/

CHオート・リチア ーー アウディR8

アウディR8の特徴的なデザインは、R8のみのものだと普通は思うはずだ。しかし、長城華冠(CHオート)は、そのR8のデザインをほとんどそのままリチアというEVモデルに採り入れてしまった。フロントとリア・ビューはそれほどR8に似てはいないが、サイドビューは明らかにR8そのものだ。

長城華冠ホームページ http://www.ch-auto.com/

ジーリー・ビューティ・レパード ーー ヒュンダイ・クーペ

2010年にフォードからボルボ・カーズを買収して親会社となったジーリーだが、コピーキャット文化が新しいものではないということを証明するモデルを生産していた。このビューティ・レパートは、トヨタスープラのフロントに、ヒュンダイ・クーペのボディを組み合わせたクルマだった。有り難いことに、ジーリーは、子会社のボルボには、こういったデザイン・アプローチをしろとは指示していないようだ。

吉利ホームページ http://global.geely.com/

ヨウシャ・レンジャーX ーー テスラモデルS

テスラ・モデルSのコピーキャットで、しかもEVというところまでそっくりである。メーカーは游侠汽車(ヨウシャ)だ。

搭載されるモーターは357ps、44.9kg-mのパワー、トルクで、0-100km/h加速は5.6秒、460kmの航続距離を持つ。ヨウシャによれば、搭載されるEVテクノロジーは、世界的に有名なエンジニアリング会社によって開発されたという。

ちなみに、オリジナル(?)のテスラ・モデルSは、328psのモーターで、225km/hの最高速を持ち、0-96km/h加速が5.2秒というパフォーマンスだ。

このヨウシャのオーナーは、28歳のホワン・シウヤンで、1980年のTV映画、ナイトライダーに強く影響を受けたという。ヨウシャとは、中国で放映されたナイトライダーのタイトルそのもの。フロント・バンパーは、ナイトライダー2000に搭載された人工知能、K.I.T.T.のLEDランプ点灯を再現したLCEパネルが装備される。また、搭載されるAndroidベースのOSもK.I.T.T.とにネーミングされている。

価格はおよそ£20,497(400万円)で、オリジナルのテスラの£45,800(880万円)よりも遥かに安い。

このヨウシャの登場についてAUTOCARではテスラにコメントを求めたが、テスラでは一切のコメントを拒否している。

游侠汽車ホームページ http://youxiamotors.com/

シュアンファン・ノーブル ーー スマート・フォーツー

そのネーミングからノーブルM600のコピーキャットと思いきや、スマート・フォーツーのコピーが双環汽車(シュアンファン)ga
制作するノーブルだ。驚くべきは、オリジナルのフォーツーが2シーターであるのに対し、このノーブルが4シーターであるということだ。但し、4人が快適にどのように座るかは不明だ。

双環汽車ホームページ http://www.hbshauto.com/

ドジョー・パイオニア ーー アストン マーティンシグネット

2014年に登場したドジョー・パイオニアは、アストン マーティンともフォードとも取れるフロント・グリルをつけたモデル。2016年には同じスタイルのEVモデルも発表している。シグネットのベースとなったトヨタiQとは違い、こちらは4ドア。パイオニアEVは、最高速度60km/h、航続距離120kmを誇る。

ヨゴモS325 ーー レンジローバー・イヴォーク

新たなコピーキャットの登場だ。御捷車行(ヨゴモ)は、レンジローバー・イヴォークのコピーで、フロント・エンドとテール・ランプは、レンジローバー・イヴォークのものを小型化したもの。しかし高く扱いにくいスーパーミニだ。

御捷車業ホームページ http://www.yogomo.org/

ヨゴモ330 ーー キア・ピカント

起亜はその存在に腹を立てているという、£7,495(116万円)の御捷車行(ヨゴモ)のスーパーミニは、キア・ピカントのコピー・バージョンだ。イヴォークのコピーであるS325と共に、コピー市場への新規参入者がこのヨゴモである。

御捷車業ホームページ http://www.yogomo.org/

ジーリー・メリー300 ーー メルセデス・ベンツCクラス

正面からの眺めは明らかに第2世代のW203メルセデス・ベンツCクラスだ。その特徴的なフロント・マスクはもちろん、スリーポインテッド・スターのある位置に付けられたエンブレムまでもコピーだ。

吉利ホームページ http://global.geely.com/

BYDロゴ ーー BMWロゴ

最近ロゴが一新されたが、それまで比亜迪汽車(BYD)のロゴは、BMWのロゴからインスピレーションを受けたものを使用していた。但し、BMWが白と水色がそれぞれ2回ずつ使われた4分割であるのにたいし、BYDのロゴは2分割のものだった。

比亜迪汽車ホームページ http://www.byd.com/

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事