ボルボXC90 T8 AWD インスクリプション
公開 : 2016.04.20 23:50 更新 : 2017.05.29 19:08
2.3tオーバーの車重を87psのモーターで走らせるわけだが、さすが起動トルクの強いモーターのこと、街道筋での発進も強めに踏めば軽々と流れをリードできる加速を振る舞ってくれる。もちろんエンジン音はしないが、しかしだからといって無音ではなく、何よりも21インチ・タイヤの発するロード・ノイズが耳に入ってくる。
続いてハイブリッド・モードを試すが、この場合もバッテリー残量が規定内にあり、しかもスロットル開度が浅いとエンジンは始動せず、ピュア・モードと同じくモーターだけで走ることが分かった。ただしピュア・モードと違って、それ相応の加速を求めてスロットルを深く踏み込むと即座にエンジンに火が入り、パワフルな加速が手に入る。エア・サスペンション装着車の場合、車高はピュア・モードがデフォルト-10㎜だが、ハイブリッド・モードでは-20㎜に下がる。
さらに活気あるパフォーマンスが得られるのがパワー・モードで、これはエンジンとモーターの両方を駆使したパワフルなAWD走行になる。高速道路で一瞬だけこのモードを味わったが、エンジンはステアリングにトルクステアが伝わってくるほどのパワーを発揮して、これも車高は-20㎜、ステアリングとブレーキがダイナミック・モードになる。
高速を降りて試乗会のベースに帰る街道筋では、セーブ・モードを試してみた。モーター走行に備えて電力を蓄えるためのモードで、大人しく走ると、ほとんどゼロまで使い果たしていたバッテリーに確実にエレキが溜まっていくのがインジケーターに表示されて、何となく得した気分になれる。
その他に、AWDモードとオフロード・モードがあり、いずれも最大のトラクションを得るためにAWDで走るが、前者は車高がデフォルトなのに対して、後者は+40㎜まで上がってラフロードに対応する。さらにその他に、ドライバーが任意にセッティングをすることが可能な、インディビジュアル・モードがある。
XC90の新ボディ、剛性は充分な印象で、電子制御エア・サスペンションのもたらす乗り心地は基本的にソフトな感触だが、路面の荒れた部分を走破すると、21インチ・タイヤからの突き上げがそれなりに伝わってくる。2か月ほど前に試乗したT6はタイヤが20インチだったから、不整路でもタイヤの存在感がもう少し希薄だったと記憶している。