ホンダ・クラリティ・フューエルセル
公開 : 2016.05.09 23:50 更新 : 2017.05.29 19:09
車重は1890kgで、リアのトランク・ルームには9.5型のゴルフ・バッグが3個収まるスペースが確保されているというのも、自慢のひとつであるらしい。
エンジン車の燃費に相当する、水素を満タンにした一充填走行距離(参考値)はJC08モードで約750kmという、ゼロ・エミッション・ヴィークルで世界トップ・クラスの数値を達成しているという。ちなみにトヨタ・ミライの同様の数字は650kmである。
さてこのクラリティ、ボディ・カラーはパール・ホワイト、ブラック、ガーネットの3色が用意され、メイン部分に本革を用いたシートなどを標準装備して、リース専用プライスは税込み766万円とされた。
ただし実際には、国からの補助金が208万円、それに地方自治体からの補助金が、例えば東京都では101万円支給される。したがって東京在住者の場合、クラリティ購入者の実際の負担額は457万円ということになる。
■どんな感じ?
まず運転席に収まると、メイン部分が本革、サイド部分がプライム・スムーズ製といわれるシートの座り心地の好さが印象に残った。なかでも特に背中上部をソフトに支える感じが気持ちいい。と同時にドライビング・ポジションも自然な感じに決まった。
後にリア・シートにも座ってみたが、レッグ・ルーム、ヘッド・ルームとも充分に余裕があり、前方やサイドの視界も良好ということで、後席の住人も寛げるのではないかと思った。
ご存知のとおり、燃料電池車のエンジンは電気モーターだから、その走行感覚の基本はEVと変わらない。スロットル、ではなくてアクセルを踏み込むと起動トルクがグンと立ち上がって、1.9トン弱の車重を軽々と発進させる。
しかも加速感は中速に至ってからも充分に力強く、そのうえ加速中もエンジン音はナシ。当方のようなスポーツカー好きでも、エンジン・サウンドがないのを寂しいと感じることはなく、むしろ無類にスムーズで静かな加速を素直に愉しみたい気分に浸れた。
パワーユニットが無音に近いだけに、どうしてもタイヤの発するロード・ノイズが耳に入ってくる。18インチのBSエコピアのロード・ノイズは、決して無音ではなく、路面によっては若干顕著になるが、当方としては特に気になるレベルにはないと思った。
と同時に、乗り心地がスムーズなのも好ましく感じた点で、脚が適度にソフトで、路面の不整を滑らかにこなしていくのは、クルマのキャラクターにマッチしている。ただしこのサスペンション、ストロークはさほど長くないようで、大きな凹凸で出くわすとボディが若干上下にゆすられる。