アウディSQ5プラス

公開 : 2016.04.22 23:50  更新 : 2017.05.29 18:14

8速のオートマティックにもフラストレーションを禁じ得ない。ギアレバーのゲート手前がマイナス、車体前方がプラスであるため変速に迷うのだ。機械側がなめらかな動作をするだけに、これは残念である。

特に、スピーカーからもエグゾースト・ノートを聴かせるシステムを選択したオーナーは ‘ダイナミック’ モードに固定して使用するかもしれない。音が勇ましいからだ。もちろん音は人工的であるが、ルノー・クリオ・ルノースポーツほどではないから安心されたい。

エグゾーストのサブウーハーのスイッチを切っていてもSQ5プラスは聴き心地のいい音を響かせる。スタンダードなSQ5と音は違うか? 残念ながらそんなことはない。まったく同じエグゾースト・ノートである。

ならばハンドリングは違うのだろうか。恐縮ではあるが、ベース車と同じだ。ロック・トゥ・ロック3回転という数値はスローな方ではあるが、そのぶんモータウェイでは安定する。切るほどに重みは自然に増していく。欠けているのは、‘味わい’ であるところまで同じだ。

シャシーのセットアップも賛否両論だろう。

スプリングとダンパーの関係は悪くなく、タイトなコーナーでさえ2トンの車体がグラグラと揺れることはない。たしかに硬く、隆起のある路面では衝撃が伝わることもあるが、クラッシュとは無縁。不快にはならない。

しかしながら、遊び心に欠けるのだ。あたらしいリア・デフを組みあわせているにもかかわらず、である。それに、限界ちかくではアンダーが目立つ。もちろんSUVだからある程度のところまでは我慢するが、一度ポルシェ・マカンを味わった以上、そうやすやすと許せるものではない。

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