アウディはQ8とネーミングされた最もラグジュアリーなSUVモデルを計画中で、順調に行けば2年にうちに生産が開始されることになる。もちろん、このQ8は、アウディのSUVラインナップのトップに位置するモデルとなる。恐らく価格は、英国市場では最もポピュラーになるQ8 3.0 TDIで£55,000(890万円)となり、BMW X6、メルセデス・ベンツGLE、そしてレンジローバー・スポーツのライバルとなるポジショニングだ。

Q8は、現在アウディが開発しているSUVモデルのうちのひとつで、アウディは2020年までに7つの新しいモデルをデビューさせる計画だ。新型モデルとなるQ2、現行のQ3とQ5の後継モデル、そしてQ1とQ4、EVモデルのQ6というのがその陣容。このうちQ6は昨年のフランクフルト・モーターショーでe-トロン・クワトロ・コンセプトとしてプレビューされている。

Q8はQ7の兄弟車で、そのメカニカル・コンポーネントの多くをQ7から移植されることになる。エンジンは、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの3タイプが用意される。ポルシェとの協力で作られるハイブリッドは、モーターのみで最高50kmの航続距離を持つもので、現時点では秘密とされる新しいプラグイン・ペトロールレクトリック・システムが採用されるという。

ハイテク・オプション
48ボルト電気システムや、OLED高解像度デジタル・ディスプレイなど、第4世代のA8に採用される予定のハイテクなシステムがQ8にも採用される。

スタイリング的には、Q8はQ7をベースとしつつ、アウディのチーフ・デザイナー、マーク・リヒトは、Q7のような直立したどっりしとしたスタンスを廃止しているという。8つの角を持つシングル・フレームが大きな特徴だ。リヒトは、このQ8が、将来のアウディ各車のデザインにも大きな影響を及ぼすとしている。

Q4やQ6と同様に、Q8もコンベンショナルな5ドア・レイアウトで、ボディ・サイズは、全長が5050mm、全幅が1970mmとほぼQ7と同じサイズ。但し、全高は1690mmと、Q7よりも50mmほど低くなる。これは、よりスポーティなデザインが採用された結果た。ちなみに、メルセデス・ベンツGLEは全長4900mm、全幅2000mm、全高1700mm、ランドローバー・スポーツは全長1850mm、全幅1985mm、全高1780mmというサイズだ。

4WDのクワトロ・システムが当然ながら採用される。その開発はアウディのR&Dの元責任者、ウルリク・ハッケンベルグの下、昨年前半にはキック・オフしているという。親会社であるフォルクスワーゲンのエミッション・スキャンダルでハッケンベルグは辞任したが、そのプロジェクトは新しいR&Dの責任者であるステファン・キニルシュに引き継がれている。

軽量プラットフォーム
Q7同様に、Q8はアウディのMLBプラットフォームをベースのアーキテクチャーとして採用する。ホイールベースは2990mmだ。

Q7よりもスポーティな味付けを反映して、インゴルシュタットの関係筋は、そのトレッドがQ7よりも大きいと話している。具体的には、フロントが1680mm、リアが1690mmとなる。

そのボディ重量は、アルミニウムを広範囲にわたって使用するボディのため、Q7と同様に2000kgを切るという。またR8にも採用されているカーボンファイバーも使われる。

エンジンは、新しいV6とV8のガソリン・ユニットの搭載が予定されている。これは、内部コードでコンツェルン・ヴィー・オット・モトーレンの頭文字をとった、KoVoMoと呼ばれるアウディとポルシェのジョイント・ベンチャーによって造られるエンジンで、このエンジンはベントレーやフォルクスワーゲンにも供給される予定だという。

このV6およびV8は90°のバンク挟角を持つユニットで、シリンダーあたりの排気量は500cc。つまりV6は3.0ℓ、V8は4.0ℓを持つ。現行のV6、V8に代わるユニットで、排気を活かしたターボチャージャーが組み合わせられる。

ハイブリッド・パワートレイン
その一方で関係筋は、48Vの電気アーキテクチャーを活かした電動ターボが組み合わせられる可能性もあるとしている。KoVoMoユニットのひとつとして、第3世代のポルシェ・カイエンのために、プラグイン・ペトロールレクトリック・システムを採用したユニットが開発されているのだという。

また、ディーゼル・ハイブリッドも用意されるようだ。これは3.0ℓのV6ディーゼルをベースとしたものとなる。

更にSQ7に採用された4.0ℓV8トリプル・ターボ・ディーゼルを搭載したSQ8もラインナップされることだろう。

Q7とQ8の最も大きな違いは、Q7が7シーターであるのに対し、Q8は5シーター・モデルのみが用意されることだ。