アウディQ7 2.0TFSI クワトロ
公開 : 2016.04.28 23:50 更新 : 2017.05.29 18:14
はたして乗った印象は、意外なほどパワフルだ。試乗したのは、Q7 2.0 TFSIクワトロだ。さきにも触れたように、2ℓ4気筒エンジンを搭載しており、252ps(185kW)@5000〜6000rpmの最高出力と、370Nm@1600〜4500rpmの最大トルクを発生する。「かつてなら2トンの大型ボディに2ℓエンジンなんて考えられない組み合わせでしたが、いまは十分なパワーとトルクを発生します」と輸入元のアウディ・ジャパンではしている。
実際、2ℓエンジンは必要にして十分な走りっぷりを示してくれる。アクセル・ペダルを軽く踏み込んだだけで車体は一瞬の遅れもなく、すっと前に出る。さらに踏み込み1500rpmを超えると、力強く加速していく。これが2ℓ?と驚くほどだ。がんがん走るには3000rpmあたりの回転域を使うこともあるけれど、あえてスムーズな回転マナーが身上のガソリン・エンジンを楽しもうというなら、これはとてもいいと思う。あまりアクセル・ペダルを踏まずに気持ちよく、という向きには3ℓV6のほうがより合っているかもしれない。
ダッシュボードに設けられたアウディドライブセレクトでは「コンフォート」「オールロード」「オフロード」などのモードが設定されている。なかでも「ダイナミック」を選択すると、パワフルな印象がいちだんと強くなる。多少エンジンを上まで回して走るほうが、2ℓユニットと「ダイナミック」モードとの相性はよりよいようだ。
もうひとつ感心したのは、室内の静粛性の高さである。クラス随一だろう。極端にいえばほとんど無音なのだ。ガラスから遮音材から徹底的に見直した結果というが、これこそ高級と感じられる。2ℓの排気量にこだわるのもへんかもしれないけれど、こんなに静かで、乗り心地がよくて、ストレスなく走れる2リッター車はまたとない。この静かな空間は、なみいるライバルを向こうに回して新型Q7のおおいなる強みといえるだろう。