アウディA4アバント 2.0TFSI クワトロ
公開 : 2016.04.28 23:40 更新 : 2017.05.29 18:14
新型A4アバントは一目でこのクルマだとわかるスタイルをしている。欧州各車の中ではとりわけアウディは、いわゆるファミリー・アイデンティティに忠実で、それによってライバルと一線を画そうとしているのがわかる。といってもモデルチェンジを重ねるたびに、フロント・オーバーハングが短く(見えるように)なり、いっぽうボディ面の張り出しが強くグラマラスな印象は強まっている。
アウディ車は側面から見たとき、ボディとグラスハウスの厚みの比率を定めていて、ボディ2に対してグラスハウスは1なのだそうだ。これを同社では「黄金比」と呼んでいる。グラスハウスを大きく見せすぎないのも躍動感という面から重要なのかもしれない。
新型A4アバントは、シングルフレーム・グリルとアウディが呼ぶフロントのグリルにおいて鋭角さが強調されるとともに、オプションでLEDタイプも用意されるヘッドランプのアウトラインも鋭角になって新しさをより強く感じるようになっている。LEDによるマーカーも新しく、アウディに興味あるひとなら高速などで後ろから走ってくれば即座に新型とわかるだろう。
クラムシェル(二枚貝)とアウディが名づけた側面に回り込んだラップ・アラウンド・タイプのボンネットと、きれいにフロント・フェンダーが合わさった精度の高さなど、アウディならではこだわりは随所に見られる。
リアゲートが適度に寝かされているのも、アバントと呼ぶアウディ独自のステーション・ワゴンの個性だ。アウディが初めて100にアバントを設定したのは1977年の2代目100だったと思うけれど、この時アウディはクーペとステーション・ワゴンの中間という斬新なスタイリング・コンセプトを採用。その伝統はいまにいたる。なので他社とはあきらかに一線を画した、いわゆるライフスタイル・ワゴンという独自の地位を確保しているのだ。といっても荷室容量は確保されていて、新型A4アバントでは505ℓ。先代より15ℓ拡大している。