トヨタ・パッソX Gパッケージ

公開 : 2016.05.02 23:50  更新 : 2021.01.28 18:13

  • ムーヴの開発で編み出したフィット性とホールド性を両立したシート。旋回中でも体を包み込む。

  • 新型の売りはリアの広さ。荷物はトランクよりも後席に置くのが一般的。現実に即した改良だ。

興味深いのは操舵感である。路面からのキックバックは少なく、操舵時には摺動抵抗のような重みがあって据わりがいい。操縦特性だけを取り出せば高速域は神経質になってもよさそうだが、この操舵感が高速走行に落ち着きをもたらす。味付けの妙味である。

燃費を除けば唸らせるような部分はない。その点では「ふつうのクルマ」なのだが、様々なパートを細かく詰めて「ふつう」のレベルを高めているのが実に印象的だ。

■「買い」か?

価格でもサイズでも登録車のミニマムクラスは「安いんだから仕方ない」的コストダウンの臭いを感じさせるモデルも少なくない。ところが軽乗用にはあまり感じられない。クラス平均では軽乗用車のほうが見た目にも使い勝手でも上等と言えるほど。鶏口と牛後の喩えではないが、軽乗用には似たような自負心を感じる。

パッソ(ブーン)に「安いんだから仕方ない」は感じられない。ハイト系ミニほどの遊び心はないにしても和みの演出も上手い。歩行者にも対応した衝突回避システムを含むスマアシIIも全グレードに装着車を設定。コンパクトクラスでは安全&運転支援の充実でもトップクラス。1~1.3ℓクラスでは標準的な値付けである。総合的な性能や実用性、内外装の品質感では同価格のコンペティターを上回り、ベーシックカーを積極的に楽しみたいと考えているドライバーに勧めたいクルマだ。

トヨタ・パッソX Gパッケージ

価格 1,447,200円
全長×全幅×全高 3650×1665×1525mm
ホイールベース 2490mm
乾燥重量 910kg
エンジン 直列3気筒996cc
最高出力 69ps/6000rpm
最大トルク 9.4kg-m/4400rpm
ギアボックス CVT
サスペンション マクファーソンストラット / トーションビーム
ブレーキ ベンチレーテッド・ディスク / リーディング・トレーリング
ホイール+タイヤ 5Jx14+165/65R14
燃費(JC08モード) 28.0km/ℓ


▶ 徹底解説 / トヨタ・パッソ/パッソ・モーダ
▶ 国内初試乗 / スズキ・バレーノXT
▶ 特別企画 / フィエスタ vs ポロ vs ルーテシア 箱根に訊け!

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事