次世代のBMW Mには4WDモデルも
公開 : 2016.04.29 22:50 更新 : 2017.12.14 12:31
将来的にBMW Mモデルが4WDを採用し、自動運転に関する多くの技術を投入するのはほぼ決定的だ。それでも、BMW MディビジョンのCEOは「Mの熱い走りに水を差すものではない」としている。
AUTOCARの取材に対し、Mディビジョンのフランク・ファン・ミールCEOは、出力の向上がつづくM5を筆頭に4WD導入の可能性を認めている。ただし、標準的なスペックはあくまでFRモデルと考えているようだ。
「最高出力の向上にともない、Mモデルは何かしらの対応が必要な状況になっています。MのフィロソフィーはあくまでFRの走りですが、カナダやスイスというマーケットを考慮すると、600ps超えのFRモデルにはいささか困難な点があります」
ミールは、トラクション向上やスタビリティ・コントロール、トルク・ベクタリングシステムの開発を進めるとしつつも、長期的には4WDのオプションが不可避であると話している。
「ただ、Mの4WDモデルに、xDriveという名はどうでしょうね。FRのラインナップがなくなるわけではありませんから」
いくつかのブランド名が候補に上がっているが、そのなかには “2+2WD” という名称も含まれる。これは、FRベースの4WDを強調する狙いだろう。
また、i-ブランドのエレクトリック・パワートレインを、Mに導入する件は、ユニット重量の懸念から未だ現実性を帯びていない。
次世代の5シリーズには、現行7シリーズの自動運転技術が導入される見込みだ。48ボルトのエレクトリック・アーキテクチャなら、指定速度までのハンズフリー・ドライブや、全自動ブレーキなどの衝突防止機能を問題なく実現できる。
ミールは、「Mのモデルが、オーナーをサーキットから自宅まで送る。そんなこともこの先あるかもしれません。ただ、Mモデルにとって、それは最優先事項ではありませんよ」と話していた。
来年登場する次世代のM5については、FRモデルのみのラインナップで、自動運転技術も限定的なものになるだろう。しかし、それに続く世代については、大きな変貌を伴うことになろう。