アストン マーティンDB11プロトタイプ
公開 : 2016.05.02 23:55 更新 : 2017.05.29 18:20
言葉のとおり、彼はスプリングをやわらかくすることに決定。さらにかつてのアストンがそうであったように、バネ下重量を軽減することに力を注いだ。
サーキットのスムーズな道でさえ、アシがしなやかに動いていることがわかる。かつてのアストンのように、リムジンを思い起こさせる、ふわりと浮いているような感覚を低速でも味わえるのには驚いた。
もうひとつ、ロータスの血統が引き継がれているとしたら、それは重さを感じさせない点だ。ベッカーいわく、DB11の乾燥重量は1850kgとのことだが、数値が示すほど重く、大きいクルマとは感じられない。
キーとなったのは電制パワー・ステアリングのギア・レシオを驚くほどクイックなものにした点だ。それでいて高速域はセンシティブすぎず、動きが大きく、やわらかな仕立てのスプリングとキャラクターが合っている。
今回のテストではトルク・ベクトリング・システムをアクティベートしていなかったため、アンダーステアが強めにでていたが、しかしそれにしても、前後左右のボディ・バランスの優秀さに驚かされた。
路面をじっとりと水が覆ったハンドリング・サーキットであれば、最初の5段のどのギアでもホイール・スピンは免れないが、現時点でも大きなボディを御することが可能な点を考慮すると、この先にも不安はない。
■「買い」か?
エンジンは、マスターピースと呼ばれるだけの素質を備えている。シャシーも既に恐るべく完成度になっている。常にエンジンに対する良好な相方である。
それだけでなく、日々の使用にも耐えうる完成度になっているし、190cmを超える筆者でさえ、室内のスペースに不満がなかった。全方向の視界も良好だ。
アストンの歴史にとって、もっとも重要なモデルになるかどうかは時間が経ってからでしかわからないが、ベストの1台となることに私は自信をもっている。
デイビッド・ブラウンに私は会ったことがないが、彼が彼自身のイニシャルを掲げるこのクルマに乗れば、満面の笑みで喜ぶだろうと確信した。
アストン マーティンDB11プロトタイプ
価格 | £154,900(2,409万円) |
最高速度 | 322km/h |
0-100km/h加速 | 3.9秒 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 1850kg |
エンジン | V型12気筒5204ccターボ |
最高出力 | 608ps/6000rpm |
最大トルク | 71.3kg-m/1500-5000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |
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