■どんな感じ?

SQ7のサウンドを ‘製品上、最高のサウンド’ だと表現することに迷いはない。マッスル・カーであることを、パワーボートのような音で知らせる。迫力を裏切らぬ、とてつもない加速力にも体が緊張しはじめる。

それでいて、SQ7は、しっとりと洗練された大型SUVであることも忘れていない。おだやかに走る分にはプリウスみたいに静か。ウインドウ下端を高めたおかげで、いたずらにシートを低めずともスポーティでもある。

内装パーツのフィッティング、フィニッシュ、エルゴノミクスにも不満はない。当然装備も、価格に見合う充実ぶりだ。極めて大径のホイールであるにもかかわらず、乗り味はしっとり。まるで船のようにふわりと進む。

しかし、‘S’ である以上、コンフォート・モードでさえ、きっちりと車体を支配下に置くことをアウディは忘れていない。なかでも可変アンチ・ロール・バーが、引き締まった動きを実現するのに貢献している。(ブレーキがいやなニオイを発するまでは)2.4トンの車重を感じることはない。ステアリングのセッティングのおかげでもあるだろう。レンジローバーやボルボXC90に比べると、あたたかみに欠けるのはたしかだが……。