フォルクスワーゲン・ゴルフ2.0TDI SE 5ドア
公開 : 2012.10.26 19:03 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
新しい7代目ゴルフの中でも、最も総合力に優れたモデルであり、そのラインナップの中でも最もファミリー向けのハッチバックと言えるのモデルが、この2.0TDIだ。
ニュー・ゴルフの最も大きいトピックは、エンジン、ランニング・ギア、そして電子制御システムなどによるものも含め合計で100kgも軽量化されたMQBプラットフォームをベースとしたボディだ。
そして、そのエンジンは、旧モデルから大幅に手が入った2.0リッター・ターボ・ディーゼルが搭載される。そのトルクは32.6kg-mと旧モデルと変りないが、パワーは10bhpアップした148bhpとなっている。
減量によって0-100km/hのタイムは0.7秒も短縮された8.6秒に、そしてトップ・スピードも216km/hにまでアップしている。
しかし、最大のセールス・ポイントは、その燃費にある。旧モデルは、19.6km/lと素晴らしい値だったが、更にこの新しいゴルフは24.4km/lまでにアップしているのだ。しかも、そのCO2排出量は、半分のサイズのエンジンを搭載するヴォグゾール・アギラと同じ値なのである。
■どんな感じ?
エンジンはコールド・スタート時にややうるささを感じるが、数マイル走れば、穏やかで害にならないサウンドとなる。そのエンジン特性、トルクカーブは前モデルと変わりないように感じるが、10bhpアップしたパワーと軽さは、走りにプラスになっている。とは言え、前モデルに対して著しく速いといった感じはない。
マニュアルまたはDSGのギアボックスは、クラスでもトップ・クラスのフィーリングで、エンジンのパワーを効率的に引き出す。もちろん、同じ排気量のガソリン・エンジンのゴルフと較べると、若干非力かもしれない。しかし、乗り心地やハンドリングのバランスの良さは印象的だ。
同じエンジンを搭載するアウディA3は、より大きく豪華なクルマという感じを受ける。しかし、アウディとは異なり、ゴルフはエンスージァストに訴えるようなボディ・コントロールの良さとニュートラルなハンドリングを持っているのだ。
また、このクルマのクオリティの高さはカタログの上では充分に納得させられるものだったが、実際に触れてみても、インテリア・デザインはフレッシュでプレミアムな感覚はクラス・トップといえるものだった。
■「買い」か?
ゴルフ・ディーゼルは、アストラやジュリエッタよりは遥かに魅力的だ。また、現時点でオール・ラウンドな性能を考慮すれば、このゴルフがクラス・トップであることは間違いない。来年登場予定のGTIが登場するまでは、ゴルフ2.0TDIは疑いなくトップ・モデルであるのだ。
(アンドリュー・フランケル)
フォルクスワーゲン・ゴルフ2.0TDI SE 5ドア
価格 | 21,960ポンド(283万円) |
最高速度 | 216km/h |
0-100km/h加速 | 8.6秒 |
燃費 | 24.4km/l |
CO2排出量 | 106g/km |
乾燥重量 | 1280kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 148bhp/3500rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |