プジョー2008 1.2ピュアテック

公開 : 2016.05.06 23:30  更新 : 2017.05.29 19:00

■どんな感じ?

レッドとブラックのユニークなアクセントに反して、GTラインを運転してエキサイトすることはあまりない。ピュアテック・エンジンは高速域と市街地では十分だが、山道では低いギアを多用する必要があるのだ。

2008と相性が抜群だとも思えない。同じエンジンを搭載する308と比較すると、ペダルやステアリングを通じてブルブルと振動が伝わってくる。ウインド/タイヤ・ノイズも高速域では結構聞こえてくる。

トレードマークになりつつある小径ステアリングを組みあわせるのも同じであるが、シャシーにはフィットしていないと感じる。センター付近が漠然としており、舵角が少し増しただけで急激に重たくなるからだ。

センターまで戻そうとする力も必要以上に強く、前輪がどのような状況にあるのかがまるで想像できない。よってわずかな緊張感がつきまとう。また、前輪が粘ることを諦めるタイミングも早い傾向にある。

サスペンションのモディファイはGTラインだからといって特別に施されているわけではなく、やわらかいセットアップゆえボディの上下方向の浮き沈みが目立つ。そしてコーナーでは、ボディが左右に傾く。うなりを伴う道では上下動がさらに顕著になり、ブレーキング時はノーズが深々と沈みこむ。反面、たいていのギャップはすんなりとやり過ごしてくれるが、17インチのホイールなりの衝撃の伝え方は看取される。

インテリアはいいニュースばかりだ。GTライン専用のシートはサポート性が高く、シート/ステアリングの調整幅も大きい。前後ともに身長の高い人にとっても、足元/頭上のスペースが窮屈だとは感じられないだろう。リア・シートを立てた状態でも410ℓの容量が確保される荷室も高評価のポイントである。60:40で分割できるシートを倒せば、1400ℓまで拡大される。

キャビンの質感は、トップ・クラスだといっていいだろう。見た目、触り心地ともに価格に見合っている。‘アクティブ’ グレード以上であれば標準の7.0インチタッチスクリーン・インフォテインメント・システムの完成度も高い。さすがにトップ・レベルのインフォテインメント・システムに比べると、反応がわずかに遅いものの、Apple CarPlayやミラー・リンク(Apple製のデバイスは対応不可)などが標準の装備となるのも良心的である。

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