アイドル時とアクセルを強く踏み込んだときは、ディーゼル特有の音がうるさいが、それ以外のアクセルの踏み込み量であれば静かだ。メルセデスCクラスやジャガーXEより静かだが、おそらくBMWとアウディよりは音量は大きいのではないだろうか。

乗り心地は、あまり味わったことのない、奇妙なまでのやわらかさである。イタリアのなめらかな路面だけが理由ではないだろう。試しにぎょっとするようなくぼみを踏み越えてみても、衝撃はつるりと丸めこまれる。ストラクチャーによる助力も好影響をもたらしているようだ。

高速巡航を試みると、ウインド・ノイズのボリュームの小ささにも驚かされる。ギア・レシオもエンジン・ノイズを抑えるに一役買っている。なかには3つ目のペダルがないことを嘆く人もいるかもしれないが、実際に、運転の楽しみを削ぐものではないとも感じた。電制ステアリングの手元に伝わる感覚にはがっかりするが(クイックすぎるし、センター付近でもナーバス、それにフィードバックが決定的に欠けている)、山道では、ボディはしっかりと落ち着いている。