アルファ・ロメオ・ジュリア2.0マルチエア
公開 : 2016.05.17 23:50 更新 : 2017.05.29 18:24
■どんな感じ?
エンジンは極めてなめらかに回るだけでなく、かつてのアルファがそうだったように、勇ましい面もある。スロットル・レスポンスは往々にしてシャープだし、基本的にはターボだということも忘れてしまうほど自然だ。
実際のサイズよりも小さく、なおかつ軽く感じさせるようなインスタントなトルク供給にも抜かりはないし、サスペンション・アームやいくつかのパネル、サブフレームもアルミ製にしたことも効いている。おかげで最高速度は235km/hに達し、0-100km/hタイムは6.6秒をマーク。多くの人々にとって、これを ‘速い’ と表現していいだろう。
ギアボックスは、これらの喜びをさらに助長する。ZF製トルク・コンバーターATは、デュアル・クラッチと同程度に素早く変速するのだ。D(ダイナミック)モードではさらに迅速になり、だからといって過度に活発な仕立てにしなかったことに好感がもてる。2.0にはモードによって切り替わるアクティブ・ダンパーが設けられていないが、ZF-ザックスが仕立てたパッシブ・モノチューブは鮮やかにジャッジされている。これを極めて高剛性なボディ構造がさらに良くする。
結果的に、全般的な印象は極めてなめらかで静か。コーナーでボディが横に傾きはじめても、コントロールしにくくならないし、引きしまった感覚も変わらない。グリップ力にも不安を感じなかった。ステアリングがもたらす、ナチュラルな印象は156譲りといえるのではないだろうか。やや人工的な感触は否定しないが、それでもなお、きちんと情報を伝えてくれている。