アルファ・ロメオ・ジュリア2.0マルチエア

公開 : 2016.05.17 23:50  更新 : 2017.05.29 18:24

乗り心地のよさとダイナミクスの両立は、端的にいって ‘革命的’ である。ここ最近で記憶しているフィアット・グループのプロダクトよりも優れており、ドライバーズ・カーとしてのアルファが復活したようにも思える。

内装は近代的なイディオムに則って、複雑な面構造が混在しているが、2対の独立メーターなど、かつてのアルファのそれを引用していたりとなかなか好感がもてる。ナビゲーションのグラフィックはBMWのものに比べるとおもちゃっぽいが、エフェクトはきちんとしているし、シンプルで使っていて気持ちがいい。マテリアルや組みつけ精度の高さは、正直にいってドイツ勢に劣っているが、それでもなお、価格差をものともしないレベルであることは間違いない。加えていかにもイタリアンな色気も忘れていないのがアルファらしい。

■「買い」か?

この場合、スタンダード・モデルと、より装備の充実した ‘スーパー(そう、60年代の105系に敬意を払った名前だ)’ から選ぶことができる。また、木の目地をあえてそのままにしたウッドを用いた ‘ラグジュアリー’ パック(フル・レザー、エクステリアの華飾、キセノン・ヘッドライトを含む)を選べるだけでなく、スポーティーなステアリング・ホイール、アルミニウムのインテリア華飾、キセノン・ヘッドライトを含む ‘スポーツ’ パックも用意される。

さぁ、「買い」なのだろうか? ひとつのアドバンテージとして、ドイツ勢よりも個性的なチョイスというアルファならではの理由がある。またイタリアにおけるテストにおいてジャガーXEよりも乗り心地がよかったという(ちょっと予想外の)結果も有利になるだろう。

2.0ℓガソリン・エンジン搭載車をトライすることで、喜びに満ちたクルマであることがわかった。そのうえ、あらゆる道や環境に対する適応能力の高さにも驚いた。アルファにとって、しがらみに満ちた、芳しくない時代がようやく終わったように思える。


アルファ・ロメオジュリア2.0マルチエア

価格 £27,000(426万円)
最高速度 235km/h
0-100km/h加速 6.6秒
燃費 17.0km/ℓ
CO2排出量 138g/km
乾燥重量 1429kg
エンジン 直列4気筒1995ccターボ
最高出力 203ps/5000rpm
最大トルク 33.6kg-m/1750rpm
ギアボックス 8速オートマティック


▶ 海外初試乗 / アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ
▶ 海外初試乗 / アルファ・ロメオ・ジュリア2.2マルチジェット
▶ 国内初試乗 / アウディA4アバント 2.0TFSI クワトロ

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