それでもなお、ほかのクルマに比べると、ペダルやステアリング・レスポンスはおっとりとしているものの、ボディ・ロールやピッチをきちんとコントロールしている好例といっていいのではないだろうか。

V8は、溢れんばかりのパワーをひたむきに生みだしている。クルマのキャラクターにぴったりだ。キックダウン時、時にギアボックスが変速を迷うこともあるが、変速のなめらかさを目の前にすれば些細な問題である。

インテリアは、スワロフスキー・クリスタルをあしらったLEDヘッドライトと同様に、驚くほど豪華に仕上げられている。たとえシャンデリアを設置しようとも、このクルマの場合は違和感がないはずだ。

シートはしっかりとしており、サポートも豊富だ。電動調整式であることは当然として、調整幅も大きく、ヒーターやクーラー、メモリ機能も標準となる。もう少し低くできれば……と思うかもしれないが、いずれにしてもポジションに不満は見当たらない。

12.3インチのスクリーン、ナビ、デジタル・メーター、オンライン機能、ライブ交通情報、ボイス・コントロール、自動エマージェンシー・コール、DABなど現代的な便利機能にも抜かりはない。