セアト・ミー・バイ・マンゴ

公開 : 2016.05.24 23:40　　更新 : 2017.05.29 18:43

メーターはクリアに読み取れ、スイッチ類はシンプルで使いやすい。ギア・レバーのポジションもよく、ほとんどのコントローラーが手の届きやすいところに集約されているのもいいではないか。

エアコンはマニュアルだし、デジタル・ディスプレイの見た目は時代遅れだが、5.0インチのナビゲーション画面の画素数は高く、操作はシンプルである。

座面高は極めて高く、そのうえ窓が大きく、ピラーが細いため視界はすこぶる良好。シートのサイズも小さすぎず、肩や足元のサポートも豊富である。ステアリングは前後と上下に動くから、ほとんどのドライバーは簡単に好みのポジションを見つけられるはずだ。

この手のサイズにしては、後席にも簡単に乗り込める。5ドアゆえのプラクティカリティにもありがたみを感じる。ただし、後席の足元スペースには我慢が必要だ。一方の頭上／ショルダー・ルームは及第点である。

車体後方に回ると、プッシュ・ボタンが目につく。トランクを開けるためのものだ。荷室はとても深さがあるが、その分リップが高く出し入れはむずかしい。サイズはミドル・サイズのスーツケース、あるいは1週間分のスーパーで買ったものが十分に入るといったところだ。

■「買い」か?

セアトはミーのことを、ファッション寄りのモデルだと表現しているが、それ以上に基本に極めて忠実なクルマだとわれわれは思っている。ならばミー・バイ・マンゴは、その個性をグッと引きあげるだけの、正当性ある価格上昇といえるだろうか? 残念ながらわれわれはそうは思わない。

どうしてもこのエディションが、というわけではない限り、標準グレードを選ぶ方がいい。£10,210(163万円)という標準価格に対し、£11,995(191万円)という価格は高い。標準グレードの完成度が高いだけに、なおさらそう感じる。