メルセデス-AMG GT Rが6月のグッドウッドでデビュー

公開 : 2016.05.26 22:50  更新 : 2017.06.01 01:31

6月に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場で、メルセデス-AMG GT Rが発表されることが、ミシュランが発表したスーパーカー・パドックのリストから判明した。

メルセデス-AMG GTのトップ・モデルとなるGT Rは、ウィンター・テストしている風景が何度かキャッチされているが、いよいよ正式発表となるわけだ。ライバルは、ズバリ、ポルシェ911GT3 RSだ。

この2シーター・クーペはドイツのシンダーフィンゲン工場で、GTおよびGT Sと同じラインで組み立てられることになっており、そのデビューは今年6月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとなる。

GT Rは、最終的に5モデルとなるとされるGTの3つめのバリエーションで、現時点では最もアグレッシブなモデルとなる。

エンジンは578psで、昨年のジュネーブ・モーターショーで登場したホモロゲーション・モデルであるGT3レーサーのものをベースにかなりの手が加えられているという。主にインレット・マニフォールドと、エクストラ・ブースト・プレッシャーを調整し、チタン製のエグゾースト・システムなどが与えられた結果、4.0ℓV8ツインターボのAMG製M178ユニットは、GT Sに採用されるものよりも63ps大きい値になるという。また、これも正式な数値ではないが、トルクは9.7kg-mほど大きくなった76.3kg-mとなるという。これに強化された7速デュアル・クラッチ・トランスミッションが組み合わせられることになる。

更にスプリングとダンパーが固められたサスペンションをはじめ、シャシーのスープアップも行われる。タイヤはフロントが275/35R19、リアが325/30R20インチだ。

その生産計画などについては、AMGは口を固く閉じているが、ディーラーにもたらされた情報によれば、もちろんその価格はGT Sよりも高くなるという。

サーキットに焦点をあてたモデルらしく、いくつかのエアロダイナミック・アップグレードが行われる。このアップグレードは、エンジンベイへのエアフローを向上させ、フロントおよびリア・アクスルへかかるダウンフォースを増加させ、コーナリングでの安定性を増す狙いがある。具体的には、拡大されたエア・ダクトに第2のエア・ダクトが追加され、スピリッターを備える新しいフロント・バンパーや、フロント・ウイングのダクトの変更、トランク・リッドにマウントされるカーボンファイバー製のリア・ウイングなどが変更点。また、リア・バンパーにはディファレンシャルの熱気を排気するための水平のエア・ダクトが開けられ、大きな六角形のエグゾーストと、リデザインされたディフューザーも新たに採用される。

最も大きなボディ・ワークの違いは昨年GT3で公開した新しいパナメリカーナ・グリルだ。1952年のパナメリカーナを戦った300SLにインスピレーションを受けたもので、15枚のバーチカル・スラットがスリー・ポインテッド・スターの後ろの並ぶもの。
この新しいグリル・デザインは、将来のAMGモデルの標準になる予定だという。

GT Rの車両重量は、GT Sの1570kgよりも軽くなる。その軽量化のため、ボンネット、ウイング、トランクリッドはカーボンファイバー製となる。正式な発表ではないが、AMGの関係者によれば60kg近い軽量化ができており、プロダクション・モデルの最終的な車重は1520kgとなるようだ。ちなみにライバルの911 GT3 RSは、GT Rより非力ではあるが車重は1520kgだ。

なお、サーキット走行を重視したセッティングとなるため、直線スピードはGT Sよりも劣ることになるという。ちなみに、GT Sのトップスピードは311km/hである。

なお、このGT RはGTの3つめのモデルとなる。来年には最も強力なモデル、ブラック・シリーズが、そして再来年にはGTロードスターがリリースされる予定。

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