レンジ・ローバー3.0 TDV6オートバイオグラフィ
公開 : 2012.10.31 12:00 更新 : 2017.05.29 19:40
■どんなクルマ?
255bhp/4000rpm、61.1kg-m/2000rpmのパワー、トルクを持つ3.0リッターV6エンジンを搭載するレンジ・ローバーのエントリー・モデルがこのTDV6だ。前モデルよりも420kg軽い2160kgという非常に魅力的なボディ・ウエイトは、結果、13.3km/lというおよそレンジ・ローバーらしくない燃費と、196g/kmというCO2排出量を導き出すことに成功した。また、軽くなったことでそのパフォーマンスも向上し、0-100km/h加速が7.9秒、最高速が209km/hと、旧いV8モデルと遜色ない値をマークすることとなった。
V8モデルよりも2本シリンダーが少ないことによって、価格は多少下げられているが、それでも最も安いヴォーグ・トリムで71,295ポンド(913万円)もする。この価格には、標準装備となるアダプテック・ダンピング・セットアップ、非常に賢いテライン・レスポンス・システムの価格も含まれるが、アンチロール・ダイナミック・レスポンスはこの3.0リッター・エンジン・モデルには装着されない。
■どんな感じ?
われわれの想像しているスタンダードなレンジ・ローバーは、まさにこのTDV6エンジン・モデルだ。その軽くなったボディと小さいエンジンを搭載したモデルは、明らかに路面を軽快に走る。劇的な車重の減少は、エンジニアリングすべてにおいて良い結果をもたらしたようで、ノーズダイブも減少し、ダイレクトなエレクトリック・ステアリングも顕著にヘルシーになった。
TDV6エンジンが2160kgのボディには力不足ではないかという懸念もすぐに失せた。確かにより大きいエンジンの兄弟ほど力強さはないものの、6気筒エンジンはそのスタイリッシュなボディをぐいぐいと進めていくパワーがある。スタートも良く、追い越し加速も充分で、そしてエンジンは実に静かなままだ。
もちろん、よりハードな走りを求めるのであれば、V8モデルのほうが向いている。しかし、その金銭的な差額を考えれば、充分に納得できる走りをTDV6は見せてくれる。
改良されたシャシーも素晴らしく、オフロードでの走破性と、そしてターマックでのスムーズな乗り心地を両立していた。
■「買い」か?
TDV6は、あなたがレンジ・ローバーに求めるすべてを満たしてくれるクルマではあるが、想像以上のパフォーマンスを発揮するまではいかないというのも事実だ。もし、より高いパフォーマンスを望むのであれば、より高価なV8モデルを選ぶべきだ。
とは言え、このTDV6とて、70,000ポンド(900万円)以上するモデルであり、裕福なSUVオーナーでなければ手に入れることのできないモデルである。
(ニック・カケット)
レンジ・ローバー3.0 TDV6オートバイオグラフィ
価格 | 87,895ポンド(1,124万円) |
最高速度 | 209km/h |
0-100km/h加速 | 7.9秒 |
燃費 | 13.3km/l |
CO2排出量 | 196g/km |
乾燥重量 | 2160kg |
エンジン | V型6気筒ターボ・ディーゼル2993cc |
最高出力 | 255bhp/4000rpm |
最大トルク | 61.1kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |