ジャガーXFスポーツブレーク2.2ポートフォリオ
公開 : 2012.10.31 17:09 更新 : 2017.05.29 18:38
■どんなクルマ?
ジャガーのエステート・モデルは、じつはこのXFスポーツブレークが初めてではない。実はXタイプにもエステート・モデルは存在していたのだ。しかし、ジャガーが最初からその設計をしたという意味においては、このXFスポーツブレークは間違いなくジャガー初のエステート・モデルということができよう。
イアン・カラム率いるデザイン・チームは、このクラスのベンチマークとなるエステート・モデルをデザインした。スポーツブレークは、サルーンに対してBピラーから後ろが異なるが、極端にルーフラインを落とすことは、ブート・スペースを確保するという意味において見送られた。また、Cピラーは、フラッグシップ・モデルであるXJと似たグロス・ブラックにペイントされる。
現在、ジャガーXFのセールスの70%を占めるのは、2.2リッターのターボ・ディーゼル・エンジン・モデルである。今回の試乗車もこの2.2リッター・ディーゼル・モデルだ。強大なパワーは持ち合わせていないが、その経済性は高い。ちなみに、160bhpと197bhpの2つのチューンがあるが、試乗したのは後者のハイパワー・バージョンである。
■どんな感じ?
PSAから供給される2.2リッターのターボ・ディーゼルはなかなかのパフォーマーだ。19.6km/lという燃費と0-100km/h加速8.9秒タイムの両立は充分すぎる性能だ。しかもその追い越し加速タイムも素晴らしい。また、ZF製の8速オートマティックのリファインも印象的だった。
エンジン・パワーに滅多にストレスを感じることはない。また、クルージングに最適なパワー・ユニットでもあり、風切り音とロード・ノイズも少ない。そのレベルはハイクラス・サルーンに相応しいものと言える。
XF本来のステアリングのデリケートさも維持されてる。70kg増えた車重によるサルーンとエステートの差を感じることは殆どない。また、その乗り心地も、最悪の路面も経験したが、総じて良好だった。英国の悪路を想定して英国で開発が行われたと想像ができる。
そのキャビン・スペースは若干前よりで、ほんの少しばかり窮屈さはあるが、明るいカラーのインテリア・トリムのせいもあって精神的な圧迫感はなかった。
■「買い」か?
ストレートでの爆発的パワーを望まないのであれば、間違いなく買いである。2.2リッター・ディーゼルのローパワー・モデルであれば32,000ポンド(410万円)から、197bhpのハイパワー・モデルであれば35,000ポンド(450万円)からという価格だ。ハイパワー・モデルはローパワー・モデルよりも0-100km/h加速で2秒程速い。
XFスポーツブレークが、ジャガーらしくあるためにエンジニアは一所懸命に働いた。一部の純粋主義者は、4気筒ディーゼルということに疑問を感じるかもしれないが、ステアリングを握れば、そんなことは問題と感じなくなるだろう。
(スチュワート・ミルン)
ジャガーXFスポーツブレーク2.2ポートフォリオ
価格 | 44,690ポンド(572万円) |
最高速度 | 215km/h |
0-100km/h加速 | 8.2秒 |
燃費 | 19.6km/l |
CO2排出量 | 135g/km |
乾燥重量 | 1815kg |
エンジン | 直列4気筒ターボ・ディーゼル2179cc |
最高出力 | 197bhp/3500rpm |
最大トルク | 45.9kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |