ポルシェ・パナメーラ・プロトタイプ(助手席インプレッション)

公開 : 2016.05.27 23:40  更新 : 2017.05.29 19:04

新型のポルシェパナメーラの公式デビューは今年末を予定している。先駆けてわれわれは南アフリカにおける熱間テストに参加する機会を得た。

ほこり舞う、うだるような暑さの南アフリカにて、次期パナメーラは開発テストの真っ最中だ。これらすべては、今年末におこなわれるパブリック・デビューのため。われわれはテストカーに乗るチャンスを得た。

ポルシェのラグジュアリー・サルーンであるパナメーラの新型は、これまでのモデルと一体どこが違うのだろう? モデル・ラインをディレクションするガーノット・ドールナーに聞くと「名前は一緒です」と冗談をいう。

でもたしかに、彼のいうことにも一理ある。というのも次期パナメーラは、名前以外にこれまでのモデルと共通している部分がほとんどないのだ。プラットフォームは新型のMSBだし、V8も作りかえられている。PDK IIと呼ばれるZF製8速オートマティックさえ新式なのだ。

わたしが乗りこんだのは、次期型のパナメーラ・ターボ。南アフリカはケープ・タウンの一般道にまずは向かった。なにせ暑い。じっとしていても汗が噴きだす。

わたしの熱い視線をはじめから予想していたかのように、インテリアはぶ厚いマットで覆われている。これじゃあスマフォのカメラで盗撮したって意味がないだろう。室内には無線機のザラザラとした音が反響する。

がっかりしたのは、エアコンの吹きだし口さえ、このぶ厚いマットで覆われている点だ。たまらなく「どうしてこんなところで……」とぼやいてみると、ドールナーは「標高が高く、プアな道を走ることでクルマの限界を高めることができるのです」と涼しげにいうではないか。

今回のテストには5台のパナメーラが用意されていた。どれもプロトタイプだが、ケープ・タウンに降りたつまでに、すでに数百万kmの距離を刻んでいる。

このテスト以前は、寒冷地でのテストを行っていたとのことで飛行機の移動距離までカウントすると、恐ろしい数字になる。テスト・クルーのパスポートには、飛行機のパイロットのそれよりも多くのスタンプが押されている。来る日も来る日もテストをしているのである。

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