ポルシェ・パナメーラ・プロトタイプ(助手席インプレッション)

公開 : 2016.05.27 23:40  更新 : 2017.05.29 19:04

ディーゼルであるにもかかわらず、オーラル・アピールには凄みがある。エンジン音はとても野太く、排気系がより元気づける。ガソリンにも引けをとらない。

パナメーラベントレーベンテイガと同じ48Vの電気機械式アクティビティ・ロール・スタビリゼーションを採用する予定でもある。エンジニアいわく、後輪ステア・システムやエア・サスペンションと同様に、ポルシェによって開発したシステムとのことである。

これを可能にしたのが、より高速かつ容量の増したFlexRayコントロール・エレクトロニクスである。シャシーやトランスミッション、エンジン・コントロール・ユニットは1秒につき100ものメッセージを送受信する。

同システムは、自動ドライブ・システムにも対応するだけの能力がある。さらに ‘アクティブ・セーフ’ やレーン・キープ・アシスト、自動ブレーキやナビのデータを参考にコーナーの速度を適正化するInnoDriveシステムまでカバーする優れものである。

このInnoDriveシステムは、たとえばエコ・モードであれば優れた燃費をマークできるように車体をコントロールする。パナメーラ・ターボの場合、燃費を気にする割合は低いだろうが、気筒休止システムもついている。ターボ用に開発し直されたアルミニウム・ブロックのV8のバンク角は90°となり、排気量は3996cc。最高出力は550ps、最大トルクは78.4kg-mとなる。

反応が速まり、燃焼効率もあがったこのユニットは、以前の4.8ℓツイン・ターボに比べると30%燃費が向上したのだそうだ。またノルドシュライフェにおけるラップ・タイムはかつてのカレラGTのものに近いという。

これを信じられるだけの速さがある。V8のもたらすパワーは情け容赦のないほど力強い。これほどの速さだと、オプションの電制ディファレンシャルやPCCBは必須ではないかと思えてくる。PCCBを入れるにはオプションの21インチのホイールが必要だ。ちなみにパナメーラ・ターボの場合、20インチが標準。エントリー・グレードは19インチだ。

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