ポルシェ・パナメーラ・プロトタイプ(助手席インプレッション)

公開 : 2016.05.27 23:40  更新 : 2017.05.29 19:04

またパナメーラ・ターボにはスチール製のPASM可変ダンパーつきスプリングではなく、エア・サスペンションが組みあわされる。このエア・サスも新設計となり、3つ目のチャンバーのおかげで30%容量が増している。

おかげでサスペンション・セッティングの幅がはるかに広まった。ドールナーいわくパナメーラ・ターボのオーナーはまず第一に快適性を求めるからなのだそうだ。

「パナメーラという立ち位置を犠牲にすることなく、もっともスポーティで、最高のパフォーマンスを発揮するクルマに仕上がりました」と誇らしげである。

英国の悪名高き道と同等の南アフリカの道でさえ、たしかに驚くほど落ち着いている。あらゆるドライブ・モードが用意されるのに対してステアリングが単比であるのは「理想は常にひとつだからです」とのことだ。

スタビリティとアジリティを高め、最小回転直径を1mちかく小さくするという後輪ステア・システムとエア・サスペンションとエア・サスペンションを選ぶならば、可変アンチ・ロール・システムも欲しくなるはずだ。

ただドールナーは「エア・サスペンションのみでも、ある程度までロール・コントロールをしてくれますよ」と説明する。スタビリティ・コントロールもまた、あらゆる入力を整えてくれるだけでなく、楽しみを拡張する。

「ウインター・テストの際に試しにスポーツ・モードに入れてみたんですよ。そうしたら45°の角度をずっと保ったままドリフトできるんです」と彼はにやりと笑う。最新テクノロジーとセーフティが増しているにもかかわらず、車重はほとんど変わっていない。ボディワークやエンジン・ブロック(ガソリン・ユニット)、配線にアルミを多用していることが理由である。

ストラクチャーは大部分がスチール製であるが、アルミ製のボディは30%硬質になっている。これがダイナミクスやリファインメントに効いているのだそうだ。またリア・トランクの開口部がより便利なシェイプになり、荷室も50ℓ増した。これは格納式のリア・ウイングをブートリッド側に仕込んだことも影響している。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事