コーンズ・サーキット・エクスペリエンス2016
2016.05.28
日本におけるフェラーリの歴史を刻んできたコーンズが、年に一度が主催するサーキット・イベントがコーンズ・サーキット・エクスペリエンスだ。今年も富士スピードウェイを舞台に盛大に行われ、224台、448名が参加した。
コーンズ・サーキット・エクスペリエンスは、フェラーリのみを対象とするイベントで、レーシング・コースを使ってのフリースポーツ走行、プロドライバー同乗スポーツ走行、ファミリー走行、クラシケ・パレード、オーナーズ・クラブ・パレードに加え、個人オーナーが所有するF1マシンの走行やスーパーGTを闘うLMコルセの488GT3体験同乗など、フェラーリ・オーナーにとって見逃せないプログラムが用意された。
公道ではフェラーリのパフォーマンスを存分に楽しめないことから、オーナーのスキルに合わせたクラスが用意されているのが特徴だ。一切の制限無く走れるフリースポーツ走行のほか、ファミリー走行はサーキットの雰囲気を気軽に楽しめるエンジョイ・ファミリー走行に加え、ペースを上げて走行するアクティブ・ファミリー走行枠も用意された。
デイトナやディーノ、BB系からF355までが参加できるクラシケ・パレードには過去最多となる38台が集まり、往年の華麗なフェラーリの世界を伝えてくれた。一方オーナーズ・クラブ・パレードには、FOCJとF.C.J.が参加し、新旧様々のモデルが姿を見せた。
数多くのプログラムの中で最も注目を集めたのがフェラーリF1走行だ。今回は1996年シーズンを闘ったF310/2と、1999年用のF399、そして2001年シーズンの・チャンピオン・マシンであるF2001の3台が参加。普通なら近くで見ることができない存在だが、ここではピットアウトする姿を目前にし、ストレートを駆け抜けるフェラーリF1のエグゾースト・サウンドが来場者を魅了した。
またピットには3台のラ フェラーリに加え、日本初登場となるF12 tdfが早くも姿を現し注目を集めていた。クラシケのエリアでは365GTB/4デイトナからディーノ246gt、308系、328系、テスタロッサ、そして今ではクラシケ対象車とF355も数多くが集まった。
昼前にはグランドスタンド前で開会式が行われ、猿丸安人コーンズ・モータース代表取締役社長と野上信雄コーンズ芝ショールーム・ジェネラル・マネージャーから、参加したオーナーに感謝の意が伝えられた。その後3台のF1マシンと488GT3、F12 tdfと共に参加者一堂で恒例の記念撮影が和やかな雰囲気の中で行われた。
コーンズがフェラーリ・オーナーをもてなす心は万全で、パドックでは青山にある会員制ラウンジ1861による本格イタリアンのスペシャルな軽食や、コーンズ・スタッフによりドリンク、ジェラートが振る舞われ、ピット上のホスピタリー・ルームではブッフェ・ランチを用意。
隣のホスピタリー・ルームでは協賛各社によるドライビング・シミュレーターやラジコンの操縦コーナー,トレーニング・マシンの体験に加え、フェラーリ・オフィシャル・グッズが特別価格で用意された。その隣はロールス・ロイス・イングリッシュ・ティーラウンジが設けられ、中央に置かれたロールス・ロイス・ダウンをながめながら、サーキットとも思えぬ静かな空間でティータイムを楽しめた。
このほかパドックにはキッズ・サーキットが設けられ、未来のフェラーリ・オーナーが、電動キッズ・フェラーリのドライブを楽しんでいた。またサーキットの外周路を使っての試乗会や、認定中古車の展示など、家族揃ってフェラーリを中心とした数多くのプログラムを存分に楽しんだ。
こうしてアクシデントも無く無事に全プログラムを終了し、参加したオーナーはフェラーリのパフォーマンスを存分に堪能し、新たな魅力を発見して、満足げな表情で帰途に着いた。
ただ単に車両を販売するだけではなく、その世界とパフォーマンスを楽しめる場を提供できるのは、オーナーの心とフェラーリの本質を知る、老舗コーンズだからこそできるイベントなのである。