それは晴れだからでしょ? というのは無理もないが、このクルマに関しては、水浸しの道であろうと、セーフティ・ネットのおかげでまったく手に負えなくなるということはない。それどころか楽しませてくれる。

BMW M4で同じことをすると、涙にくれているはずだ。

全力でアタックする場合は、ギアボックスをマニュアル・モードにして ‘ダイナミック・ドライブ・セレクター’ を ‘スポーツ・プラス’ にするといい。左手でパドルを弾くと、エグゾーストがパパンッと音を鳴らして、ダウンシフトを即座に終わらせてくれる。

さらに驚くのはシャシー剛性の高さだ。さすがにごく稀に、ミシリと音をあげる時があるが、屋根が開く長いボディをもつにもかかわらず、常にガシリとした感覚をもたらしてくれる。

段差による衝撃も見事に丸めこまれ、ボディはすこぶるタイトに向きを変える。ステアリングを切れば、スッとなめらかに車体全体が動く感覚があるのだ。ストッピング・パワーにも不足はなく、踏み心地もいい。