エンジン? ギアボックス? ドライブトレイン? これはもうフェラーリである。絶対に。エキサイトメント、レスポンス、ダウンシフトのスピード、これらすべては488 GTBの方がいい。

488 GTBのエンジン音やギアボックスのマナーは、より熱狂的で、自由度が高い。普段ならばオートマティック・モードに固定するような単なる高速巡航でも、必要以上にパドル操作したくなる(特にダウンシフト)。

さて、結局どちらが勝者となるだろうか? 勝敗を分ける部分は、かなり細かいところであった。

650Sに乗って488 GTBを追いかける。コーナーに差しかかったあたりまでブレーキを引きずりながら、ステアリングを切り、エイペックスを超えたあたりでアクセル・ペダルを踏みこん時に違いが見つかる。

650Sの場合、ここでサスペンションがサポートすることでほとんどロールすることはない。また先にも少しばかり触れたが、この際、後輪の内側(コーナー側)がほとんどスピンせず、結果的にテールが流れにくい仕立てになっている。意識的なセッティングだろう。