マクラーレン650Sの後継は2017年のデビューを予定
公開 : 2016.06.06 22:50 更新 : 2017.06.01 01:30
P14なる名前で伝わっている、マクラーレン650Sの後継車種は、2017年のデビューを予定しているということが明らかになりつつあり、もっとも可能性が高いのは3月のジュネーブ・モーターショーだと予想される。
£1,000,000,000(1,543億円)の投資の末、2022年までに15台の新型モデルを投入するとマクラーレンは宣言しており、そのうちの初めてのモデルがこのP14になるという見方が濃厚である。
マクラーレンに関するオンライン・フォーラムでは、すでにあらゆる噂が飛び交っており、P14の正式名は710psという最高出力に由来する ‘7’ から始まるのでは? と言われているが、スポークスマンは否定する。
また、マクラーレンのCEOである、マイク・フルーウィットは、ジュネーブショーにて公開予定のP14は、既存のV8ツイン・ターボ・ユニットを使用すると明言しており、スポーツ・シリーズのように車内へのアクセスのしやすさを念頭に、モノセル・タブを改良して使用することも匂わせている。
しかし650Sとは異なったモデルになるとのことで、これは、よりアグレッシブなマクラーレンを求める層を意識しているからとのことだ。
フルーウィットは「カスタマーそれぞれの求めるキャラクターを、個別に実現できるといいですね」とも語っている。さらに可変エアロダイナミクスが期待されていることも教えてくれた。
マクラーレンのデザイン・ディレクターであるフランク・スティーブンソンは、「もはや単に美しいものをデザインすることがわれわれの仕事ではなくなってきています」としたうえで「エンジニアが制作可能かどうか? をきちんと予想できなければいけません」と語ってくれた。「これが他のメーカーと違うところです」とも。
デザインは、マクラーレンにとって大きな飛躍になるとのこと。極めて強力なLEDライトをヘッドライトに仕込むことで、フロントの顔つきは大いに変わるであろうし、インテリアのデザインも見直す結果、超直感的なコックピットになるということも聞くことができた。
さらに2022年までにラインナップされる全15台の新モデルのうち、およそ半数がハイブリッドになるということも教えてくれた。言い換えると、2022年までに、マクラーレンの業績の半数は、ハイブリッド車によるものだと考えることもできるのではないだろか。
しかし例えば、570Sと570Shといったように、ひとつのコンベンショナルなモデルの派生車種としてハイブリッド・モデルを投入しないことは既に決定済みのよう。また、あくまで経済性向上ではなく、パフォーマンス向上のための個別モデルとしてハイブリッドが投入されるようだ。
またマクラーレンは2022年までのプランには、P1のリプレイスメント・モデルは関与していないという。ただ、アルティメット・シリーズは今後も継続する意思が強いようで、正式な後継車種が現れる前にも、P1と似た立ち位置のモデルがデビューすることもあるという。
より遠い未来には、CO2の削減を目指し、6気筒エンジンの投入計画もあるようだ。フルーウィットはこれについて明確な答えをだそうとしなかったが大きなヒントを残してくれた。「ゆくゆくはシリンダーの数が少なくなるでしょうが、それはまだまだ先のことでしょうね。というのもわれわれのエンジニアは、よりビッグに、よりパワフルにという目標のもと努力していますから」
ただ2022年を目処にしたモデル開発サイクルと、エンジンの開発スケジュールは別に進行しているようで、後者は、より厳しくなるCO2排出規制のために、遅からず気筒数の削減が実行されるのでは? とスポークスマンは語ってくれた。
さらにハイブリッド化することで、内燃機関の重量を削減し、トータルでもコンベンショナルなモデルより軽く、優れた重量配分を有するものにできないか、エンジニアに打診しているという話も聞くことができた。