これに合わせてハブ・キャリアもあたらしいものに変更され、従来と異なるジオメトリーが、フロント・エンドのグリップをより確かなものとする。結果的にアンダーステアが軽減され、速くコーナーを走れるのだそうだ。一方でエンジン・マウントはより強固なものとなり、それゆえレスポンスもよくなった。

このクルマにとって、もっとも重要なのはラップ・タイムであり、そのために改良が施されているのである。

可変ダンパーは標準。やわらかいモードと硬いモードの2種だ。前後のブッシュも締めあげられた。ジオメトリーも変わったため、フロントのトー角は小さくなったうえ、よりネガティブ・キャンバーとなった。組み合わさるタイヤは、グリップ重視のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2。このクルマ専用の設計だという。

ノルドシュライフェのタイムのために生産されたクルマといえど、われわれは、よりクルマが多く、寒く、ウェット路面の多い英国で乗ることになる。より安価で4WDのゴルフRとどういった力関係になるのだろう?

■どんな感じ?

数週間前にわれわれはクラブスポーツをトライしたが、クラブスポーツSはまったく異なったクルマだと感じる。明らかに速いし、明らかに反応がいいのだ。もちろんパワー増強によるところも大きいし、軽量化やブッシュが硬くなったこともかなり影響している。

タイヤのことも忘れてはならない。ステア・レスポンスは遥かに研ぎ澄まされているし、車体の振る舞いもシャープになっている。ルノー・メガーヌRSの方がエキサイティングなのはたしかだが、路面の蹴り方、食いつき方はクラブスポーツSの方が光る。