フォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツS
公開 : 2016.06.07 23:50 更新 : 2017.05.29 18:56
ドライブ・モードは最近のクルマの例に漏れず、いくつか用意されているが、わたしはコンフォートやスポーツよりもインディビジュアルに固定することが多かった。これでダンパー以外のすべてを締めあげるのである。
しばらく走らせると、シビック・タイプRよりも、メガーヌRSトロフィー-Rの方が比較する相手としてはいいかもしれない、と思えてきた。もちろんタイプRのことは好きなのだが、タイプRは ‘体育会系’ の毛色がつよい。GTIクラブスポーツSは、いくらパワー・アップしたといえ、繊細さが残されている。これが、メガーヌRSトロフィー-Rにも共通している点である。
エンジンは6800rpmからはじまるレッドゾーンに向けて軽く回転する。雑味はなしだ。6速マニュアル・ギアボックスの操作感も軽く、カチリとしている。ちなみにMTより20kg重くなるDSGは用意されておらず、出力を犠牲にし、15〜20kg重量が嵩むエアコンも、無償オプションという扱いになっている。
ハンドリング・バランスはアンダーを意識した設定になているが(なぜならゴルフだからだ)、電子装置と電子制御のLSDはスリップを避け、パワーをきちんと伝える。
(ストイックにタイムを縮めようとするほど)サスペンション・ブッシュとジオメトリーの変更が、横方向のグリップ力をずいぶんと高めていることがわかるし、ステアに対する反応の正確性/反応もよくなっていることも理解できる。