以前のS4が搭載していた3.0ℓV6スーパーチャージド・ユニットの後継にあたる、バンク角60°のこのユニットは、14kgの減量を果たし172kgとなる。

特許を得た、継続的にカムシャフトをアジャストするバルブ・リフト・システムを採用するだけでなく、スパーク・プラグを中心部に設置することで、アウディの言葉を借りると ‘劇的な’ 燃焼効率を得られるとのことだ。

最高出力は21psアップの354psとなり、さらに特筆すべくはトルクが6.2kg-mアップの51.0kg-mに達している点だ。また、レヴ・バンドが600rpm拡大された1370〜4500rpmにて湧きあがるようになった。

またさらに、これまでの7速デュアル・クラッチSトロニックから、8速のトルク・コンバーター式ATにすることで、静止状態からの加速力を高めた。ZFによるこれは、ティプトロニックと同じシフト機構であり、ステアリングに標準でマウントされたシフト・パドルからも変速できるようになっている。

駆動方式は4WD。一般的なコンディションであれば、全トルクの40％が前輪に、60％がリアに送られる。フロントには最大で70％、リアには最大で85％のトルクを分配可能になっているという。後輪の左右で分配するトルク量を変えるスポーツ・ディファレンシャルはオプションの扱い。

■どんな感じ?

見ているぶんには、なにかとガッカリとするところが多い。先述のように、これまでになく落ち着いた外観だからだ。特に ‘事情通’ ではないかぎり、A4にオプションを盛ったものかな? くらいにしか思わないだろう。

じつはインテリアも同じだが、こちらは悲嘆にくれる必要はない。というのは、A4のインテリアは現行型になって、そもそも完成度が高いからだ。

ステアリングやシートを大きく調整できるため、望むドライビング・ポジションを得やすい。これならば、長距離の移動でさえ、苦痛に感じることはないはずだ。