BMW 320d Mスポーツ

公開 : 2016.06.14 23:40  更新 : 2017.05.23 10:23

乗りこんでエンジンを始動させると、明らかに静かになっているのがまず印象的だ。補記類のベルトに遮音カバーをかけたり新しい対策も施されている。アイドリング時の振動も抑えられていて(従来エンジンでも低かったが)、いわゆるディーゼル感覚がないという美点は継承された。走り出してもスムーズな回転マナーで、うっかりするとガソリン・エンジンと間違えるだろう。

320dは2015年9月にマイナーチェンジを受けており、今回のエンジン改良によって、ほとんど完璧の域に達したといえる。

■どんな感じ?

320dは日本におけるディーゼル輸入車のパイオニアだ。日本では2012年に発売されている。当時輸入車ではメルセデス・ベンツEクラス(W212)にE350 BlueTECがあるだけで、大胆なビジネス施策とも思われた。けれど、結果は大成功。ガソリン・エンジン搭載の320iと価格差が23万円ということもあり、燃費がよく、予想外に走りやすいところが注目された。320シリーズの半分以上が320dという好成績で推移してきたのだった。

そもそもBMWはエンジンを重視するメーカーとして、高性能ガソリン・ユニットを得意とするような印象があったが、ディーゼル・エンジンにも継続的に力を入れてきた。本国では2代目3シリーズ(E30)に85年からディーゼル・エンジン搭載車を設定。87年にはターボ化するなど「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWにふさわしくパワーも追求されてきたのだった。

ディーゼル・エンジン搭載の3シリーズはモデルチェンジを重ねるごとに繊細さを増してきた印象がある。現行モデルも導入初期から、低回転域からトルクがたっぷり出るうえ、オートマチック変速機との相性もよく、2000rpmから3000rpmを少し超えるぐらいの常用域での扱いやすさは印象的だった。

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