ボルボ、ディーゼルよりハイブリッドの強化へ
公開 : 2016.06.13 22:50 更新 : 2017.06.01 01:30
ボルボは、3気筒エンジンを組みあわせるT5プラグイン・ハイブリッドの強化を行うことで、ディーゼル・エンジンの生産量を減らす可能性がある。ディーゼルに求められるエミッション基準の厳格化への対応策である。この新しいT5ハイブリッド・システムは、先月にヨーテボリにて公開されており、来年発売予定のXC40に初搭載される見込みだ。75psを発揮する電気モーターが7速デュアル・クラッチ・オートマティックのシャフトのうちのひとつにパワーを与え、さらに1.5ℓ3気筒ガソリン・エンジンも、183psのパワーを発揮する仕組みだ。
電力を生みだすのは9.7kWh のバッテリー・パック。これだけで48kmもの航続可能距離も実現しているという。ボルボR&Dセンターを率いるピーター・マーテンスいわく、このセット・アップはライバルが搭載するハイブリッドよりも効率が高く、パワーを生みだすのも容易かつ安価なのだそうだ。「ディーゼル・エンジンに対する、極めて魅力的な対抗馬でもあります」とCEOのホーカン・サミュエルソンもヨーテボリで語っている。「CO2排出量はディーゼルよりも遥かに少ないですし、最高出力/最大トルク両方もディーゼルと同等の数値が出せます」とも。
まだボルボは、エミッションや経済性に関するデータを明らかにしていないが、インサイダーは、CO2排出量が95g/km以下かつ燃費もディーゼルに引けをとらない数値になることを示唆している。今後10年はディーゼルを製作するか? という問いに対してサミュエルソンは「ディーゼルは今よりも高価になるでしょうね。それに関連してディーゼルの生産が少なくなることは自然な流れではないでしょうか。選択はカスタマーに委ねられますが」と語っている。
T5システムは、今後展開よていの40種すべてに使用されるとのことで、最終的には4気筒エンジンとモーターを用いるモデルを含む90種に流用されるようだ。