ボナムス・グリニッジ・コンクールデレガンス・オークション

●2016.06.05 グリニッジ／コネチカット／USA
モナコでのオークションの次は、舞台をアメリカに移し、コネチカット州グリニッジでのコンクール・デレガンスにリンクして行われた。オークションが終わってみると、意外な結果を見せつけられた。

 
モナコを皮切りに、コレクターズ・オークション界は再び忙しくなってくる。しかし今年に入ってからオークション全般で低調になってきたものの、モナコまでは持ちこたえていたように見えた。しかしグリニッジ・オークションの結果を見ると、一瞬目を疑う数年前並みの落札額が並んでいたのである。昨今の円高分を差し引いても、その下落ははっきりと見て取れる。

2014年からのコレクターズカー・バブルの主役といえたエンスージァスト以外の人々が退いてきたようだ。彼らが好むフェラーリやポルシェ、ランボルギーニなどが、流札あるいは大きく値を下げてきたのである。具体的に見てゆくとフェラーリ275GTB/4は入札が入らず3億1320万円の最低落札額に達せず流れてしまった。テスタロッサが1869万円で落札されているが、この個体は初期型で走行3800マイルという極上車だったため値を上げたもの。先日まで10万ドル・オーバーだった308GTB QVは802万円で終わり、値を上げ続けていたポルシェ356のオープンモデルもCカブリオレで1307万円に留まり、ナロー911も安めの最低落札額設定だったが、ほとんどが流れてしまった。

一方でエンスージァストが好むマニアックなクルマは、その中にあって正しく評価されており、モノによっては値を上げている。代表格といえるのがアルファ・ロメオGTA 1300ストラダーレで、ここでは1664万円を記録した。またオースチン・ミニ・クーパーMk-1は、数が少ない997クーパーでレストア済ということから375万円まで値を上げている。

またアメリカで開かれたオークションだけに、20世紀初頭から各年代のアメリカンカーが数多く用意され、一部の貴重なコレクターズカー以外は、お値頃といえる価格で好調な落札ぶりをみせた。

オークションが開かれたコネチカット州は、アメリカ東部のニューイングランド地方にあるだけに、イギリス車はポピュラーな存在といえる。それだけに’50〜60年代のMG、オースチン・ヒーレー、サンビーム、ジャガーなどのスポーツカーが数多く並んだ。しかし、先頃まで高値を付けていたオースチン・ヒーレー100 BN1は、ここでは713万円で終わっている。

オークションに欠かせないバーンファインド・カーにも大物が姿を見せた。その代表格がシェルビーGT350で、ワンオーナー車で当時レース参戦後の1976年から仕舞い込まれていたもの。要レストア状態ながらオリジナル度が高いことから1718万円を記録している。