加速や最高速といった、分かりやすい絶対パフォーマンスでは、LP610-4に分がある。けれどもLP580-2は、数字よりフィールに魅力を見いだそうとした。エンジン出力を多少犠牲にしても、中間領域でのピックアップの良さを重視した、というのが、RWD用580馬力V10の真相だ。

もちろん、フロントアクスルを駆動しないことで、若干軽くなり、前後重量配分も43:57から40:60へと、フロントが軽いスペックになっている。

その他、スプリング、アンチロールバー、ミッション、タイヤはもとより、LPI(電子プラットフォームの中枢)やANIMA(ドライブモード選択)、MRS(磁性流体ダンパー)、LDS(可変ギアレシオ・ステアリング)といったウラカン自慢の電子制御系から、スタイリング変更に関わるエアロダイナミクスに至るまで、こと走りに関かわるパートには、ほとんど修正が加えられた。

■どんな感じ?

実際にウラカンLP580-2を駆って、サーキットをめいっぱい攻め込む機会に恵まれた。もう十分に見慣れたはずのコクピットと、背後からの特徴的なV10サウンドにも関わらず、やはりRWDのハイパワー・スーパーカーでサーキットを走ると思うと、にわかに緊張する。たとえAWDであっても、相手が高価なスーパーカーとなればそれなりに緊張するのに、こいつは、前輪の助けのない、600馬力近い後輪駆動のミドシップカーなのだ。