ゴルフ・ボールのようにギュッと小さいボディの各所をふくらませることで、筋肉が盛りあがるようなプロポーションを実現。もちろん値段も同様に膨れあがったが、熱狂的なファンが定着したのは事実であった。

それを受け継いだのが今回のM2なのだ。トラディショナルな2ドア・クーペであるこれは、後輪のみにダイレクトにパワーを送りこむ。介在要素は、6速MTと可変LSDのみである。

前後の重量配分は52:48。前輪は、たんに舵取りのためだけに仕事をする。エンジンは3.0ℓストレート6ターボ。370psを発揮するようチューンされている。

注目すべきは、フォーカスRSの排気量は2.3ℓであるにもかかわらず、出力の差は20psに留められている点だ。トルク差も、意外にも6.1kg-mしかない。車両重量はM2の方が19kg軽く、価格差は215万円となる。

今回われわれは、ウェールズのエラン・バレー貯水池に向かうことにした。道幅は、家のバス・ルームよりちょっと広いといった具合だ。サーキットで勝負すれば、M2がフォーカスRSを下すことは目に見えていたし、ハンドリングを吟味するには、やはり人気の少ない公道の方が合っていると思ったからだ。