ポルシェ718ボクスター

公開 : 2016.06.22 05:50  更新 : 2017.05.29 19:04

シートは横幅が大きく、左右と背中のサポートはしっかりとしてくれる。ステアリング、その他のコントローラーに対して、シートの位置もパーフェクトだ。

もしあなたがヒール&トウを多用しないのであれば、ブレーキとアクセル・ペダルが近すぎると感じるかもしれないが、マニュアル車のことをきちんと考えた配置だということを考えれば、自然とうれしい気持ちになる。

前後あわせた荷室容量は275ℓ。マツダMX-5やメルセデス・ベンツSLCの2倍は荷物を載せられる。

■パフォーマンス

“エンジンが小さくなったからといって、静かになったとは思うことなかれ。113km/h巡航の音量は、3.4ℓユニットを搭載した2012年モデルと同じ73dBだった” ― ニック・カケット(ロードテスター)

ポルシェが4気筒エンジンを採用したことで、アウディTTやメルセデスSLCのように、どちらかというと控えめになったと想像している人が多いようだが、音量はなかなかの存在感を発揮している。また、多くのガソリン・ターボ・ユニットと比較しても、軽く回る。

あたらしいギアボックスとクラッチも嫌な感じがしない。それぞれの動作は軽く、なめらかだ。ギアノブに関しては、手首にちょっと力を入れるだけで動く。ギア・レシオは先代同様にロングだから、山道で飛ばす場合はおのずとシフトダウンする回数が多くなるだろう。

気になるのはエンジンだ。

低回転域ではターボ・ラグが皆無だといったら嘘になるが、最小限に留められていることはたしかだ。2000rpmを超えると、吹けあがりはより快活さを増す。リニアリティに富むことは間違いなく、7600rpmのリミッター手前でも、息を荒げるようなことはない。

相対的にバランスがとれたエンジンだといえよう。もちろん先代の濃密な味わいは諦める必要があるが、ここ最近の2.0ℓ4気筒エンジンとしては、先代に劣らぬレベルまで近づいてきている。ポルシェらしいメカニカルな音も聞こえてくる。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事