BMW i8ベースのEVを開発中
公開 : 2016.06.24 04:40 更新 : 2017.06.01 01:29
BMW i ディビジョンは、現行のガソリン・ハイブリッドのパワートレインを取り去り、バッテリー・パワーのモーター3基に変更したi8の開発にとりかかっているという。
BMW i ディビジョンは今年10年目の節目を迎えるが、すでにリリースされたi3、i8という2つのプロダクション・モデルをより拡大していこうという計画が立てられているという。そのひとつがi8の完全なるEV化で、このEV化されたi8は、今年のフォーミュラEのペースカーとして使われた燃料電池のi8プロトタイプに変わって、来年のペースカーとしてデビューする予定もあるという。
燃料電池のi8プロトタイプは、水素タンクを収めるために通常のi8よりも広いセンタートンネルを持っている。この構造を活かして、そこにバッテリーを収めるようにするのだと、BMWの開発責任者、クラウス・フローリッヒはAUTOCARに対して語っている。
より大きなバッテリーを搭載するにもかかわらず、現行のi8の1485kgというボディ重量が増加することはないという。また、その航続距離は400kmとなるとされる。
新しい4WDのi8プロトタイプには3基のブラシレス・モーターが使用される。現行のi8では1.5ℓの3気筒ガソリン・エンジンが収められるリア・セクションに2つ、そしてフロントに1つのモーターが配置されることとなる。BMWによって開発されたこのモーターは、現行のi8に搭載されているモーターよりも速い回転速度を持つという。
「BMWには高回転型の内燃機関について長い歴史をもっている。電気自動車の世界でも、モーターの高回転化を達成したい。」と関係筋は語っている。また、高出力、高回転化のほか、コンパクト化も新しいEVの鍵となるという。
現行のi8は、モーターとエンジンを組み合わせたアウトプットが362psだ。一方、燃料電池のi8プロトタイプに積まれるモーターは245psだった。新しいi8 EVは、それぞれのモーターが272psのパワーを持つとされる。
現行のi8もフェイスリフトを予定
EVモデルのデビューより前に、現行のハイブリッドのi8にフェイスリフトが施される予定で、そのテストも進められている。
ドイツのミュンヘンで撮影されたスクープ・ショットでは、フォーミュラEのペースカーとして使われる燃料電池のi8プロトタイプに採用されているファクターが採り入れられることがわかる。
フロント・モーターのために、追加されたガーニー・フラップ、8つのエア・ベントが開けられたリアのカーボンファイバー・セクション、2つの熱放出用のモーターが隠されたテールゲートなどが変更点。このテールゲートへのモーターの追加は、1.5ℓ3気筒ユニットの冷却用と考えられる。
メインとなるのはバッテリー容量の変更だ。新しいリチウム・イオン・バッテリーは、X5 xDrive40eに使用されている26Ahのもので、現行の20Ahのものに代わって搭載される。また、クアルコムの充電システムも、現行の3.6kWから7.2kWに変更されている。
BMWはモーターについてのコメントをリリースしていないが、パワーは総合で10%ほど上昇した396ps程度になると予想される。
また、サスペンションを10mm落とすと同時にチューニングも見直され、タイヤもフロントが245/35、リアが285/30の20インチに変更している。
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