ゴルフGTIのような磨きあげられたハンドリングや、突出したグリップ・レベルは諦めなければならないものの、シロッコGTSは間違いなく優秀なクルマだ。

しかしながら、可変ダンパーをコンフォート・モードにしていても市街地では上下にひょこひょこと跳ねる傾向があるだけでなく、スポーツ・モードでコーナリング時にバンプを踏むとESPの介入を知らせるライトが点滅するため、乗り心地は例外的なよさとはいえない。

したがって、わたしならばノーマル・モードに固定するだろう。ごくたまにサスペンションが混乱する時があるが、やわらかさと硬さのバランスはこれがいい。

インテリアはやや古さが目立ってきたが、艶のあるプラスティック・パーツや、意図的にレトロな見た目にしているがサポートをしっかりしてくれるスポーツ・シート、6.5インチのナビ・スクリーンがありがたく、不快さとは無縁だ。4名の大人がそこそこ快適に乗れるスペースも確保される。