■どんな感じ?

150psを発揮する2.0ℓTDIエンジンやサスペンションなどは従来どおりであるから、乗った際の印象はこれまでと変わらない。今までどおり、さしたる興奮なしに素早く移動できる、ということもできる。

さしたる興奮はないものの、‘ダイナミック・モード’ に固定せずともステアリングもの重みはほど良いし、ギア・チェンジも気持ちよく行える。1500rpm以上の加速もいい。きちんとしたクルマである。

ステアリングを切りはじめてから、実際にノーズが向きを変えるまでも素早く、コーナーでの粘り強さもかなりのもの。Sラインにはスポーツ・サスが付き、車高も15mmさがるため、ロールも抑制されている。それゆえコーナーもかなりクイックに抜けることができる。

ただ、楽しさに思わず笑みがこぼれることはないだけなのだ。また、なめらかな道ではまったく問題ないが、荒れた路面だと臀部に路面の凹凸が伝わりやすい。

Sラインであることの特権を捨て去ることができるのならば、わずかにやわらかいサスペンションを無償で選ぶことができる。Sラインに標準の18インチではなく、さらに小径のホイールを選ぶというのも、乗り心地を改善するという意味ではありだ。