新型ポルシェ・パナメーラ、デザイナーとのQ&A
公開 : 2016.06.30 04:50 更新 : 2017.06.01 01:28
ダッシュボード上のスイッチを廃し、タッチ感応式のフラット・パネルを使用したのはなぜですか?
ーーかつてのインテリアは、ボタン点数が多かったですから、ちょっと時代を感じさせるようになりつつあったのですね。新しいシステムに、早い段階からカスタマーに慣れてほしいという意図もありました。
ボタンを1度押せば、ひとつのファンクションが立ちあがる、というわれわれのロジックはそのままに、よりクリーンかつモダンに感じるようにデザインしました。
真ん中に据えたレヴ・カウンターは物理的なメーターとして残していますが、その両サイドはデジタル・メーターとしています。新しいものと古いものを両立させることで、よい緊張感を生むと考えたからです。
進化とは古いものを捨て去り新しいものを取り入れるというように考えがちですが、ポルシェは古いものと新しい物を掛け合わせることで新たな価値を生み出します。
EVやハイブリッドは今後どのように展開しますか?
ーーミッションEのようなコンセプトカーは、われわれのデザイン言語が今後どのように向かうかを示唆しているのですが、同時に新たなエレメントも含んでいます。
フェンダーがボンネットよりも高い位置にあり、ヘッドライトも現行モデルから異なっています。しかしながらエア・インテークは基本的には従来のものと同じ役割を果たすようにしています。冷却も重要ですから。
EVと内燃機関搭載車。デザインの自由度はどちらが高いでしょうか?
ーーエンジンがなくなり、フロアにバッテリーが敷き詰められるわけですから、一見、自由度が高いと思われがちですが、バッテリー周辺のデザインは大変です。
ひとつ自由度が高まれば、また別の問題が生じます。
仮にですが、パワーを電波で得ることができれば、デザイナーは完全に自由になれますけどね。
やはり空気抵抗の低減は大事なことですか?
ーーEVを作る際、重要であるのはご存知のとおりです。風がクルマの周囲をどのように流れ、クルマが風にどのような影響を与えるかを見ています。
たとえば車輪ひとつをとっても、ホイールにカバーをつければ済む話ですが、デザイナーにとって、そしてポルシェにとっては避けたいことですね。
われわれの場合、デザインを損なわずに空気とどのようにうまくやっていくかは、ポルシェのレーシングカーから学べます。たとえばル・マン24時間レースを走るLMP1マシンなどは、空力を熟慮した形状ですから、かなりアドバンテージといえるでしょう。
われわれの仕事といえば、これを市販モデルにどのようにアジャストできるか? を考えることなのです。
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