スバルBRZ S
公開 : 2016.07.05 05:50 更新 : 2017.05.29 18:41
エンジンのブロックも剛性強化が図られ、6速マニュアル・ギアボックスはファイナル・ギアがなんと低められた。燃費でナンバーワンでなくてもいい、という自動車づくりで大切な見切りのよい例がここにある。三菱のエンジニア諸兄、犯人は一人かもしれないけれど、見習ってほしい。
ボディには随所に「補剛」を施し、足回りでは新開発のショーワのダンパーを採用、前後スプリングを変更するとともにリアのスタビライザーの径をアップしている。
一般にリアを硬くするとオーバーステアが強まる。BRZはトヨタ86に較べて安定志向のハンドリングがうたわれていたのに、どうしてそんなことができたのか?
それは補剛の効果もあって、4輪の接地性が上がったから、とシャシー設計部のエンジニア氏は説明する。BRZの熟成ぶりがうかがえるエピソードではあるまいか。
■どんな感じ?
走り始めて驚くのは、乗り心地の素晴らしさである。やや荒れた路面を低速で何事もなく通過していく。日本車とは思えないぐらいにイイ。一般に車両の反応を鋭くするにはバネを固くする必要がある。