フォード・マスタング・サットンCS700
公開 : 2016.07.04 05:50 更新 : 2017.05.29 18:53
もちろん勢いよくアクセルを踏みこめば、710psという数字が示すとおりの暴れ方をするが、車体はあくまで重く、アウディRS6やポルシェ911ターボSのようなミドル・レンジのトルクは期待できない。
サスペンションの変更は、93.2kg-mものトラクションをきちんと路面に伝え、さらに(少なくとも舗装路では)横方向の粘り強さとスタビリティを高めている。
左右の振り方はサイズ相応といったところだが、足元が引き締まっているゆえレスポンスはよく、ロールもきっちりと抑制されている。そのうえパワーがグリップを上回るといったこともない。これは予想外だった。
その分、上下方向の動きは制限されており、端的にいって乗り味は硬いため、荒れた部分の多い英国の道では根気が必要。ベース・モデルに比べると前:35mm、後ろ:25mm下がっているから当然といえば当然だ。
またファットなタイヤの影響もあり、フロント・エンジン/リア・ドライブのアメリカン・マッスルカーに乗っているんだ、という感覚は嫌でも感じる。